第2話 秀一の潔さ そして デート

札幌の雪まつりの帰りに吹雪で降り込められた《秀一と恋子☆》


布団に入りながら 見つめ合っている秀一と恋子が、その手を出して握り合った☆



そんな時、秀一は 札幌でのテニス部協議会に出発する直前に、顧問の緒方先生に、

「信じてるからな。軽はずみな事はするなよ。」と言われたのを思い出した。


『ああ、こういう事だったんだな。』


秀一は潔く学生服を手に取った。

「恋ちゃん・・帰ろうか?」


恋子は胸の高まりで、

『私、どうなっちゃうんだろう?』

と思っていた所で、


「うん。」

と、素直に従った☆



秀一が女将に、《自分達が高校生であること、間違えて吹雪を避けて飛び込んできた事、など話すと、


「あ~あ~、それは 済まんかったね。

大人びてたから、おばさんも分からなかったよ。

まあ、吹雪が止むまで、囲炉端でゆっくりすると良いよ。お金は要らないからね。」

と言ってくれた。



1時間もすると、嘘のように吹雪は無くなり、人々も何事も無かったように街を歩き出した。



終電までには、十分余裕があった。

秀一と恋子は並んで歩き、恋子から組んだ腕を 秀一は受け入れた。ボックスになっている電車の席に二人向かい合わせに座って、恋子は秀一の手を弄んでいる。



「恋ちゃん・・・デートは別の日にね。」

そう言った秀一の想いが嬉しくて、

恋子は秀一に並んで座り直し、身を寄せた☆



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



次の日曜日に秀一は恋子を遊園地に誘った。

恋子は秀一とのスキンシップを楽しんだ。



すると、案の定 他の高校の不良グループから目をつけられた。


「おい!おまえら イチャイチャしてるんじゃねえぞ! リーダーはな、最近彼女と別れたばっかりなんだ! 目障りなんだよ!」


不良グループの一人が秀一を殴り付ける。

「おい!良い気になってんじゃねえぞ!」

秀一も腕っぷしには自信があった。



秀一は一発お返しすると、恋子の手を引いて、すぐに遊園地の警備員に通報した。

恋子は秀一の手際の良さに感心した。



その後の二人は夕方まで遊園地を堪能した。

そして、念のため 不良グループの仕返しを用心して、3つ先の電車の駅までタクシーに乗った。



二人は楽しかった一日を振り返りながら、 代わり番子に耳打ちをした。



恋子は、

《また 吹雪が来て、秀一と雪に降り込められたい》思いに駆られていた。

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