第3話 本当のエチュード



 この話はまだ口外されていない。米国防省またはNSC局員でも知り得ている者はほぼいない。機密扱いのかなりセキュアな情報ソースなのだ。


各国が宇宙開発を加速させ民間もその産業に参入してきている2026年代。宇宙軍や宇宙軍事も発展段階にある。これは何も今に始まったことではないのだが……


「ユニフォーム、ユニフォーム243 事態が進展。撃ってきやがったレーザー砲をまともに食らっていたら生きちゃいないぜおそらく中国軍かロシア軍だろうが……」



すでにどれだけの時が流れたのだろうか?

宇宙空間に浮かぶ宇宙服姿の男が一人。そう、アトランティクの生き残りだ。


「マジでやばいぜ あれは中国航空宇宙軍だ。救出船があれでは……これはもう助からないか…」


「こちらロギー02、報告にあった宙域で戦闘を確認。さらに戦闘が拡大中の模様。交戦規定に基づき反転攻勢に出る。」



こんな危険な宙域で何をしようというのか まともな航空軍を保有しているのはアメリカ、中国、ロシアだけのはずであった。


「日本航空宇宙軍、こちら司令部レーザー砲での反撃を許可する。敵機影 3 まあ、こちらの敵ではないがな」


それはまっとうな宇宙戦闘機の隊列でゆうに12機の機影のレーダー反応がしっかりとモニタリングされていた。


やっとアトランティクの生き残りジョニーも気が付いた。


「あれは友軍かそれにしてはずいぶんな機体数だ。それにバージ船のような船までも…これはわが軍の船じゃない…」


艦隊編成のような宇宙戦闘機の数。。。ずっと極秘にされていた国防軍の存在がいま明らかになろうとしていた。





次話へ続く

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