第2話 大国の意思
先の件はすでにアメリカ軍上層部に伝達されていた。大統領執務室の前にはドアをノックしようとする女性の姿があった。その彼女の隣には軍服姿の男の姿がある。
「失礼しますジェイムズ大統領」
入ってきた女性に
「トリニティ君 なんだね」
「大統領閣下、お久しぶりです」
トリニティという補佐官の女性の隣にいる男を見て
「なんだ君は確か」
「アームズ少将であります 閣下」
独特のワッペン、それはアメリカ宇宙軍の指揮官の一人だ。今や大将閣下である75万人の米兵を率いる。アームズ少将はより実効的な部隊つまりは宇宙艦隊の指揮官であり実質上の右腕であり中将の権限に近いものを持っていた。
急速に拡大する中国 中国も先達て宇宙軍の設立を宣言し米国との対決姿勢を鮮明にしつつある。ロシアも宇宙軍の創設を宣言、イランやフランスも宇宙関連の活動を活発化させていた。
大統領のジェイムズは
「何事だね 緊急の用件かね。実務がかなりある忙しいのだよ」
と言いながら秘書官の持ってきている書類に目を通している。
「僭越ながら緊急の用件です。中国軍がスターファイターを保有しています我が方の艦艇が一隻攻撃を受けました。破損の状態から見て威嚇攻撃程度であると思われますが戦略の見直しが・・・」
と言った処で大統領閣下は
「それならばすでに対処しているトリニティ君 例の映像を」
執務室の額縁のあたりにスクリーンが下りてきて画面を表示した。それは米軍を変える・・・いや、世界が宇宙軍拡へと向かう道筋のような動画であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます