第34話 抜け道【水晶】
カークによって飛ばされた4人は別々の場所に転移していた。
「オルム様~!ヘル~!鬼丸~!」
レイヴンは抜け道内の水晶の部屋にいた。
「色々な仕掛けがあるって言ってたけど、こんな部屋もあるんだぁ。」
壁に散りばめられた水晶がどこかからの光を増幅し部屋を照らしている。
レイヴンは辺りを見渡しながら歩き始める。
「僕だけはぐれたのかなぁ?皆は何処にいるんだろう?」
一本道が続く。
暫く進むと少しひらけた場所に出た。
「ここは少し広いんだ。昔召喚されたゲームって世界だとこう言う場所でダンジョンのボスみたいなのがよく居たっけなぁ…。」
そんな事を言いながら前方に目をやると。
「なんか居るし。」
レイヴンの予想通りそこにはクリスタルゴーレムが道を塞いでいた。
「倒さないと先に進めない感じかな?」
レイヴンは背負った大剣に手をかける。
道を塞いでいたクリスタルゴーレムの目が赤く光る。
「こういう怪しいモンスターって絶対目が赤く光るよねぇ!」
レイヴンはクリスタルゴーレムに斬りかかった。
しかし、クリスタルゴーレムの腕に当たるも弾かれてしまった。
「硬っ!?手が痺れちゃうよ!」
弾かれた反動でバランスを崩しながらレイヴンは後方へ飛び着地した。
「*****」
クリスタルゴーレムは不思議な声を発しレイヴンに突進してきた。
「はやっ!硬いし速いし!なんだよぉ!」
レイヴンはクリスタルゴーレムの突進をいなしながら観察していた。
「ゴーレムだから何処かに核があるはずなんだけどなぁ…。」
空中でクリスタルゴーレムのパンチを身を翻し受け流しながら反撃をする。
ガキンッ
「ただ闇雲に斬っても弾かれちゃうだけかぁ…。」
何度も斬り掛かるが全て弾かれてしまう。
「*********」
クリスタルゴーレムは雄叫びに似た声を発っすると天井につらなった水晶が共鳴する。
キーン
「うわっ!うるさっ!?」
レイヴンは堪らず耳を塞ぐ。
するとクリスタルゴーレムのパンチがレイヴンの腹部に直撃する。
「痛っ!」
レイヴンは当たる寸前で後方へ飛んだが衝撃を逃がしきれずダメージを受けた。
「あぁもう!集中とか苦手なんだよなぁ…。」
そうボヤきながらレイヴンはクリスタルゴーレムに意識を集中する。
「********」
クリスタルゴーレムはまた水晶を共鳴させる。
レイヴンは堪らず耳を塞ぐ。
何度か同じ流れが繰り返されレイヴンは唇を切り口から血を流していた。
「ホント五月蝿いなぁ…だんだんイライラしてきたよ。もう君の無機質な顔も見飽きたし壊してもいいよね?」
レイヴンは大剣を構えた。
「********」
クリスタルゴーレムは雄叫びをあげる。
クリスタルゴーレムが雄叫びをあげる時に開く両肩の突起と胸部の穴を見つめた。
「そこだ!」
ザンッ
レイヴンの大剣がクリスタルゴーレムの胸部の穴を貫く。
「雄叫びをあげる時に開く両肩の突起と胸部の穴の3箇所をランダムに移動する核みたいだけど、僕の勘が当たったみたいだね!」
レイヴンが大剣を引き抜くとクリスタルゴーレムの目から光が消え、キラキラと水晶の破片になりクリスタルゴーレムは崩れた。
「僕の勝ち!」
レイヴンは二カリと笑うと大剣を背負い直し奥の道へと進んだ。
「皆と合流したいけど、合流したらやっぱりお説教されるのかなぁ?」
レイヴンは頭の後ろで手を組みため息をついた。
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