しろっぷ

@ko22

第1話 金がない

金がない、金がない、金がない…。


私は呪文のように言い聞かせて、

今まで生きてきた人生を呪った。


なんでちゃんと専門学校行って資格取らなかったのよ!



…学歴、ないのに!


ああそうだ、私は馬鹿なのだ。


馬鹿な人ってなにも考えないのだ。そう、周りが何か考えてるのに、何も考えていないのだ。


勉強ができる、できないじゃなくて、将来の見通しをたてられるか、たてられないか、だ。


そう、私は、馬鹿なのだ。


1人で自問自答しながら、新宿駅を歩く。


いつ歩いても人混みが足を塞ぐ。


金がない、金がない、金がない…。


とりあえず手っ取り早くアルバイトをすることになった。


カラコン売り場…。


カラコンをしていると、シジミ目の私は宇宙人のようになるけれど、それでも、カラコンはしないとならない。

女は化粧をする。

それは、素顔を晒せないからだ。

それに加えてカラコンを装着する。

…装備みたいなものだ。


カラコン売り場を担当として任されるなんて、嘲笑われてるのか?と、ちょっと疑心暗鬼になる。


だって私は学歴がないのだから…。


金がない、金がない、金がない…。


私は、意を決して、風俗店の面接へ行くことに決めた。


金のためならなんだってする…!

昔の人は強かった。


私、本当に困ってるんです。

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