5話 似つかわしくない主

 俺とほのかは一緒に歩き、

やがて大通りに出る。

 で、まず匂いが気になる。

俺も犬。腹がへった。


「お腹空いたでしょ?今ご飯用意するからね」

のぞかは俺の心を読んでるように言う。

 

やがて歩いてくと、豪華な家が見える、

そしてそこへと向かっていく、のぞか。


(おいおい、まさかこんな豪邸に住んでるのかよ?)

 案の定その門に指紋認証して、開いた中へと進む。


「まじか?」

俺は戸惑う。こんな泥だらけ、しかも柴犬なのに

入っていいのか?


「大丈夫だよ、安心して」

のぞかは俺の心を読んでいるかのように言う。


(血統書付きだろ?こんなお屋敷には)

なんだか複雑ながらも、促されて敷地の庭に入る。

 

それにしても大きな家だな。

「驚いた?パパがくれたお屋敷なんだ」


(お嬢様ってわけかよ、通りで)

いいコート着てるわけだ。

しかし、俺の泥がべっとりとついて、相当怒られるぜ。


そのまま自動で玄関が開く。


「ただいまー」

と屋敷に入る。え?今のが入り口か?

俺は広すぎる家に混乱する。


そこからはカーペットが敷かれている。


俺はその上には乗らずに様子を見る。


「わんちゃん?」

不思議そうに見るのぞか。


そりゃあそうだろ、このまま入ったら、お互い怒られるぜ。


「お行儀良いんだね」

そう言うと、


「待ってて、今ご飯持ってくるから」

と言い、のぞかは奥の部屋へと行った。

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