2話 出会い
あれは最初のご主人だったかな。
両親と男の子、質素で平凡だけど幸せそうな家庭、広い庭とマイホーム。
そんな場所に、俺は飼われた。
「可愛いー!」
と言いながら何度も撫でられた。
あの時は、幸せ、だったのかな。
今じゃその記憶もあいまいだけど。
そんな事を思い出していると。
「大丈夫??」
目の前の人間が言う。
この声、女の子か。
正直、女とか男とか人間には色々いるけど
今の俺にとってはどうでも良かった。
ただ
(またか)
という感情が湧き上がってくる。
また拾われて、そして・・。
「今度はなんだよ・・」
と女の子を見て、小さく言う。
何かが伝わったのか、
「わんちゃん?大丈夫?」
と心配そうな声で言ってくる。
「・・・」
と、俺は喉が渇いていて答えられないし、
疲れてて、なんか眠かった。
「具合悪いの?しっかりして」
女の子は何かを差し出す。
「飲んで、水だよ」
水筒を取り出して目の前に水を用意してくれた。
俺は綺麗な水を、しばらく飲んでなかった。
身体が勝手に動いて水に飛びつく。
(美味しい!)
差し出された水は適度に温かい。
俺はごくごくと夢中に飲む。
(ああ、生き返る!)
水がこんなにありがたいなんて。
女の子は、おかわりをくれた。
更に差し出した水をいっぱい飲む。
ああ、美味しい。
お陰でしっかりと立てた。
「良かった、少し元気になったみたい」
女の子は嬉しがってる。
ほんとに美味かった。
でも、なんでここに女の子が?
とにかく助かった。
「はじめまして、私は、
女の子は自己紹介した。
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