41 瞳の光 

「ふん」

俺の身体から、槍を抜こうと動くヴィクター。


そのとき俺を見る。

俺の目を。


するとまだ。


俺の目には光が あった。


「!?」


ヴィクターは振り向く。


そこには


レナが光の魔法の矢を構え、

ヴィクターに狙いを付けていた。


「バ、バカな!!」

狼狽えるヴィクター。


「一体いつの間に?!」


レナは答える。

「神室のお陰よ」

と。


ヴィクターは


「まさか!?」

と気付く。


「神室の、俺の名前を何度も呼ぶ。あれは私を誘うためか?!」


「し、しかし何故だ?レナは魔導書の呪いで魔法を使えないはず!?」

一瞬で様々な事が、ヴィクターの頭をよぎる。


「ヴィクター」

レナは名前を呼ぶ。


「や、やめろ!!」

ヴィクターは槍をレナに放とうとする。

が。


(俺がさせない)

刺さった槍を、俺は抜けさせないようにする。


「なに!?」

ヴィクターは狼狽える。


レナは。


「ロディの、仇よ。」

と言った。


そして、


矢が放たれた。


「!?」

ヴィクターが何の感情も持つ前に、


光の矢は一瞬でヴィクターに命中する。


そして


(パアン!)

と音がして。


そして

ヴィクターは


シャボン玉のように弾け飛んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る