36 解読
給湯室。
それは、そこにしかないもの、それは
その名の通り
「水」(水)
とレナと目を合わせ2人同時に言う。
つまり、ロディは(水)を取りに行った。
そして、
この絵に何かをするつもりだったのか?
「この絵の主(神室)の世界に雨(水)を降らせる・・」
レナは言う。
「クク。惜しかったですね」
ヴィクターは不敵に笑うと、槍を構える。
ヴィクターはレナを狙っている。
庇わなければ。レナだけは。
俺は誓っていた。
その時、ヴィクターの後ろから鋭いモノが襲う。
「!?」
ヴィクターの頬をかすめる。
「誰だ!?」
それは胸を貫かれ血まみれのロディだった。
「な、何?」
ヴィクターは驚いている。
まさか、生きていた!?
しかも動けるなんて。
「ロディ!」
レナは叫ぶ。
しかし、重傷を負ったロディ。
それ以降、立ち尽くして動けない。
(もういい!ロディ!)
と俺も言う。
ヴィクターは
「まだ生きていたんですか、裏切り者。」
と槍で、瞬時に薙ぎ払った。
身体に突き刺さる槍。
「!?」
なんてことだ。ロディ!
「ゴミ」
とヴィクターは言いながら。
槍を抜く。
「は・・は」
ロディは血まみれになりながらも
(笑っている?)
絵画へと身体を向く。
「!?」
驚愕するヴィクター。
「まさか・・こいつ!」
「へ、へ。そだよ。あんたのまけだ」
そう言うと、ロディの血が絵にかかる。
「雨、降ったね」
とこちらに言うとロディはそのまま倒れた。
「ロディ!!」
レナが叫ぶ。
その血は、絵画の悪魔の世界、
(魔界)にかかる。
(絵の主の世界(魔界)に(雨)降る時、想い、扉は開かれる)
扉。
その絵画の中の扉が、ぼんやりと光始める。
「!?」
全員が見る。
そして、絵の中の扉は開き、絵を中心から光と共に、縦に裂く。
(こ、これは!?)
扉が開いた!?
「き、貴様ら!!」
ヴィクターはすかさず槍を放とうとする。
その刹那、俺には
これしかない。
と思いつく。
そう、この中に入るんだ。
(レナ!!)
と手を引く。
しかし
「ロディが!」
とレナは涙ぐんで止まっている。
しかし、今は行かなければ!
俺は強引にレナを抱き絵の中に入った。
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