33 ロディ無残


「おいらってさ、映画でいう、おふざけキャラで。

最後まで生き残るタイプだよ」


魔王の火球を3回も、まともに喰らい生き残ったロディ。


その奇跡は本物だったのか?


 俺とレナは待った、ロディを。


しかし5分経っても来ない。


追手の足音は迫っている。

(もう着いてもよさそうだが)


俺たちは給湯室へ向かった。


そこには

血だまり。


そして、ロディが倒れていた。


「ロディ!?」


そして、その前に立つのは、

両手に、血に濡れた青黒い槍を持っている。


ヴィクターだ。


「ヴィクター?!」

レナは驚愕する。


明らかにロディを刺したのはヴィクターだ。


一体いつの間に?

足音は、まだ上だったはずだ、早すぎる。


ヴィクターはこちらを見ると、


「ワープですよ」

と答える。


足音は罠だったのか!


「ヴィクター!なぜ!?」

レナは憎しみの目をヴィクターに向けながら言う。


「裏切りものは始末せねばなりません」

とヴィクターは静かに答える。


味方のはずの、ロディを串刺しにするとは・・。

一体どうして。


「裏切り者?」

レナが聞き返す。


「その悪魔と、一緒にいるじゃないですか?」

ヴィクターは俺を指さしながら言う。


「今のkamuroは、敵じゃないわ」

とレナは負けずと返す。


「何を言うんです。レナ?」


(そうだ!俺は・・)


 レナは話始める。


「テリオスは魔王に殺されたわ」

「でも今は、あの時とは別人なの」


レナは本当に信じてくれている。

俺は嬉しかった。

根拠はレナの心だけだろう。


(レナ)

その時、青い槍が俺を襲う。


(グ!)

命中し俺は吹き飛ぶ


「神室!?」

レナは駆け寄る。


ヴィクターは

「話すんじゃない。悪魔」

と言う。


(キッ!)

とレナは睨むと弓構えを取る。

しかし


「え?」

レナの矢が発生しない。


「どうして?」


「フフ」

ヴィクターは笑う。


(どういうことだ?)


「レナ。あなたは私の聖典を盗みましたね」

知っていたのか!?

ヴィクターの魔導書を、レナが盗んだのに気付いてた!


「その呪いですよ、魔導書の所有者の魔法を封じる。」


「!?」

レナは驚きながらも、何度も試みるが駄目のようだ。


「そこまでですね」

ヴィクターは槍を動かす。


(!!)

俺は片方の羽だけを羽ばたかせ、自ら回転する。


その不規則な動きにより、少しヴィクターを驚かせる。


その隙に俺はレナを連れ、給湯室から脱出する。


「無駄な事を」


俺たちは書斎に行くしかなかった。


絵画がある書斎に追いつめられる。


ゆっくりとヴィクターは近づいてくる。

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