32 八方塞がり

徐々に階段を下りてくる音。


まずい。


一体どうすれば?

途方に暮れる。


(レナ)

俺は見つめる、レナを。


こうして、せめて友好的に見つめ合いたかった。

1度くらいは。

その時


「・・ってこうなって・・だから」

ロディが何事か呟いている。


「ってことは・・」

絵を見て考え込んでいた、ロディだったが。


なにやら絵を指で刺しながら考え込んでいる。


そして


「そうか、そういうことか!」

と急に大声を出す。


(どうした?ロディ?)

と俺は聞く。


ロディはそこから歩き出して


「クイズ王はおいらってこと!」

と言うと、部屋を出る。


「何処に行くんだロディ?追手が迫ってるぞ」

と言うと、


「給湯室に用があってね」

とロディが言う。


給湯室?

隣のか。


これは。


何か閃いたな。

 

追手の足音はまだ地下1階の、階段周辺に居る。


ロディはこの書斎のすぐ横の、給湯室に行った。

間に合うだろう、これなら。


俺とレナは待つ。

すぐ戻ってくるロディを。


直ぐに、戻ってくる。

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