26 テリオスの書斎

 ここは、城の中。

裏口から入っている。

 

 どう考えても、正当な手段ではない。

が、今はそんな場合ではない。

 

 俺たち3人が向かっている先は。

テリオスの書斎。


 レナは、当時ここにテリオスと一緒に居たこともあるため、

道には詳しいようだ。

 

そして、何やら、試したいことがあるらしい。


 やがて、警備の目を潜り抜け、辿り着いたのは、

城の地下3階の、カギがかかった扉。


「おいらの出番だね」

 扉の前にロディが立つ。


そして、懐から針金を取り出す。


(ガチャガチャ)

っとすると、かちっ。

と鍵が空く。


 扉を開けると、そこは書斎か?

あるいは図書室か。


 本棚が立ち並ぶ。

本の数は数千冊だろう。


「すごっ」

ロディが驚く。


 入り口を、バレないように閉めて再び鍵を閉める。


 更に、ここにはセキュリティがあったが、

入室したのがレナ、

つまり、当時住んでいたテリオスの恋人だったため

パスしていた。


俺は部屋を見渡す。


一面本。

だらけだ。


 あとはモダンな机と椅子。

机の上にはメモ。


 そして、絵画。


その壁を隔てた隣には、給湯室。


目立つのはそれくらいだ。


 机の上のメモには

「想いは現実に」

とある。


これは?


レナがメモを手に取り


「テリオスがよく言っていた言葉」

と言う。


そして、絵画。


大きく。横幅3メートルほどある。


描かれているのは、過去の悪魔たちとの戦争。


右側が人間の世界と、勇者たち。

左側は魔界、と悪魔。

真ん中には、観音開きの扉が閉じている。


 ここへきたのは良いが、一体?

俺は不思議がる。


ここまで、必死に来た。

その理由は?


レナが知っているはずだ。


俺とロディはレナを見る。

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