9 美少女に恨まれるもの


 これほどひどい仕打ちがあるだろうか?

現代世界での俺は、おそらく美少女に縁がない生活をしていただろう。

 しかし、それは(無関心)という事が多かったと思う。

あくまで想像だけど。


しかし今、俺は美少女に恨まれている。


ああ、なぜこんなことに。


 現在、レストランまでは100メートルだ。

 しかも、俺がここに来て、まだ1秒も経っていない。

なのになぜ攻撃された?


 怪我をした理由はわかったものの、まだ疑問が多く残っていた。


(ドーン!!)


再び横で爆発が起こる。


まただ!

 

 これは、方向がレストランとは限らない?

一体なんだ?あちこちから飛んでくる。光の弾。

 

 全てはレナが放っているのだと思っていたが。

四方八方から飛んでくるこの状況。


どうもおかしい。


 俺の頭は疑問符でいっぱいだった。


しかし心配してる暇などない、


(ザクッ)

と俺の腕が切れる。


「グア!」

と激痛が走る。


 この感覚、光とは少し違う痛み。

一体何が起こっている?


 どうすれば?


このまま進むか?


 しかし光弾は止まらなかった。

その間なく発射される弾に俺は傷付けられていった。


 しかし、この悪魔。

つまり俺が。


ここまで恨まれるとは。


(一体何をした?)


 俺は飛び交う光弾を必死に避けながらも、

自分の胸に手を当てて、問いかけていた。


(お前は、あの少女になにをしたんだ?)


ここまで恨まれる動機を、

俺は。

勿論というべきか、当然、というべきか


知りたくてしょうがなかった。

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