8 この大きなパラソルの下で

 俺は映像を消して、魔界から町へワープする。

その場所はレナが居るレストランから100メートル程の位置だ。

慎重に越したことはない。


じっくりと距離を詰めて、作戦を行うつもりだ。


 俺がワープしたのは閑静な民家が立ち並ぶ通り、人通りもまばらで、

静かな感じだ。

 ここから2回曲がって、交差点を渡り、公園を超えると

その通りの向かいが、レストランだ。


 俺はゆっくりと歩き始める。


と、そのとき、なにかを、踏んだようだ。


「ん?」

それは、なにか黒い物、


「なんだ?」

俺は近づいてみる。


 なんだろう?かなり大きい。

5㎝程だ。

さっきまで無かったぞ、こんなものは。


よーく見ると。


それは、黒い指だった。


(何!?)


その時、後ろの民家で


(ドーン!!!)

と激しい爆発が起こる。


「なんだ!?」

俺は振り返るとともに、自分の手を見る。

 そこには指が

(3本の内)

1本無かった。


「う、うわあ!」


一体なんだ?

何が起こったんだ?


突然の事にパニックになる。


一瞬だ。理由が解らない。


 しかし、やがて来たこの激痛が、

答えを教えてくれた。


 これは、間違いない。

不快感を覚える、この感じ。

間違いない、これは、


レナの魔法だ

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