3 世界

 俺は生きていた。


 今は、崖沿いに座っている。

不思議な景色を眺めながら。


 紫と黒のコラボレーション。

が生む何とも単色な景色。


 紫と黒は、影絵のように、空と地を分ける。

地平線が無限に拡がるのみだ。


 薄暗くて、風が強い。

しかしその風を感じる人、動物、植物、生物などは居ない。


 居るのは俺だけだ。


(ここは何処だ?)

 俺は無機質な崖に佇んで片膝を立てて、座り込みながらも

さっきの腹の傷を見る。

 

 矢が刺さっていたはずの腹は塞がっていて、

傷跡が少しあるのみだ。

 

 この体、正に・・悪魔だ。


 俺は様々な考えを巡らせていた。


名をレナと言っていたあの美少女。


 いきなり目の前に居た。

しかし、その前の事が、思い出せない。

 

 魔法。

 ゲームで言うところの光属性の魔法。

あれを喰らって俺は痛みを覚えた。

 何とも説明しがたい痛み、(不愉快)な痛みとでもいうか。


 少女、レナは敵か?


ここだ、一番の問題は。


答えは間違いなく「イエス」だろう。


俺はレナの敵、それも相当な恨みを持っている感じだ。


あの涙はやばい。俺を凄まじく憎んでいる。

 

 普通、美少女に注目されるなんて最高のシチュエーションのはずだ。


だがこれは、破滅しか思い浮かばない。

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