第322話 コンプリート
俺は急いでゲートを出し、水樹達の元へ向かう。
彼女達の姿を見て泣きながら抱きついていた。
彼女達の体をベタベタ触って
「怪我は無いか?危ない事はなかったか?」
皆大丈夫だと、誰一人怪我もないと、俺の心配具合に呆れと感謝をしていた。
娶っているメンバーもまだ娶っていない水樹達も同じように、触れて異常がないか確認していたものだから、真っ赤になり、くねくねしていた。
即屋敷に送って風呂に入り、先ずはゆっくり休むようにお願いした。一応回収したダンジョンのコアを見せられて、完了報告をしていた。
結局2つ目と3つ目の攻略は、ほぼ時を同じくして終わった。念話が入り連絡順でゲートを出して迎えに行き、やはり涙を流しながら妻達を抱き締め、皆が呆れる中、体に異常がないかひとりひとりベタベタと触り確認していった。
赤毛のトリシアがわざとセクシーなあえぎ声を上げたものだから、反応してしまい理性がとんでしまい、皆の前だというのに、服を剥ぎ取りに掛かってしまい、慌てた妻達が俺を捕まえて、叱りつけられてしまった一幕もあった。一度死んでしまったトリシアを見てからは、彼女に対する想いは格別だったのだ。あの時の悲しみは今でも俺の心に影響が残っていて、2度とトリシアのあんな姿は観たくなかった。ただ、今の淑女然とした姿は俺の好みのドストライクで、早く正式に妻にしたくてウズウズしていたりする。そのトリシアもリギアや、ライトアイに頭を叩かれながら怒られていた。それ以外は特に何もなかった。
皆がダンジョンに繰り出している間は、心配で心配出来が狂わんばなりだったのだが、やはり待つという事に俺は向かないのだなと思い知らされた。
特にセレナには、今までこんな想いをずっとさせてしまい、待つ辛さを負担をさせていたのだなと申し訳なさで一杯だった。
屋敷に戻った後、セレナのお腹に顔を埋め、泣きながら謝罪をし、抱きしめ、ついつい求めてしまった。ただ、セレナは待つのは辛くなかったと、俺に会えないのが辛い。ちゃんと無事に帰ってくると信じているから、どんと構えて待っているからと、俺の考え過ぎだったようだ。俺の反応を見て、今回だけだからと言ってくれて、また泣いてしまった。そんな俺をいつも優しく抱きしめてくれるセレナは俺にとってはまさに女神様だった。
翌朝ダンジョンアタックをしたメンバーから報告を受けていた。
特に何もなく、俺が攻略したダンジョンと同じとしか言いようが無かった。コアを見比べたが、差が分からなかった。ボスの構成や、最終階層数、聞いた内容が全て同じだった。簡単過ぎて拍子抜けし、怪我をしたのはよそ見をしながら歩いていて頭を打ち付けたとか、転倒し擦りむいただけで、戦闘中の怪我は皆無だった。その怪我も皆に付与している肉体再生でさくっと治ったと。誰が怪我をしたかは、本人の名誉と、恥ずかしいからと伏せられ、俺も一言、油断大敵だから、以後気をつけてね!とだけ伝えて終わった。
これからどうするかとなったが、先ずは攻略した6つのダンジョンを結んだ中心部の探索が必要となり、早速向かう事になった。
今回はダンジョン探索メンバー以外で向かう。
気になる事があるからと、オリヴィアが天界から戻っていて、オリヴィアとアンバー、ダンジョン探索から外れたムーンストーンを率いる。アンバーは俺の護衛として来る事になったのであった。
まずはセレナを連れて、非行で探索エリアの外周に行き、ゲートで探索メンバーと入れ替わり、探索を開始するのであった。
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