第230話  マイア

 目覚めるといつも闊達なエレクトラが俺の横で寝息を立てている。俺だけの時はパティーのリーダの仮面が外れ一人の女に戻る。責任感が強く無理をし暴走気味のようだ。マイアがよく抑えている。


 頭を撫でていると目覚めたので数分の間キスをしていた。

 改めて刻印がある事を確認し体調を聞くが少しだるい程度だ。

 朝食の後家族に挨拶をして引き上げ、エレクトラを自室に連れてお別れだ。今日はマイアの日だ。

 その前に各総督を集め軽くミーティングを行い、ボッタクリ治療院の話をし、同様の治療院以外でもボッタクリで苦しめている者がいないか調査と対処、カービングに例の治療院の調査対処を指示した。


 ミーティングが終わるとマイアとのデートだ。

 部屋に迎えに行く。ミーティングが終わると迎えに行くと言ってあり部屋を訪れる。


 彼女の格好は黒のを基調としたゴスロリというのだろうか?

 お嬢様チックなのだ。他の者でそういう格好をする者が居ないので新鮮だ。

 早速屋敷を出る。


 皆に見送られ少しこっ恥ずかしい。

 彼女も実家に行きたいと言う。ジャックナイフで交易を生業としていると。

 まず一緒にワーグナーの店を回りお土産を選ぶ。高い物は避けている。

 父親が武器を収集する趣味が有ると言うので実用的なミスリルのブロードソードと飾り用にミスリルの大剣に強化を施している。マイアがじっと見ていて嬉しそうだ。そんな彼女の唇が余りに魅力的でついキスをする。

 彼女はエレクトラの抑え役で、普段は非常に大人しい。格好とのアンバランスも面白い。

 アクセサリー店で宝石を選ぶ。青色の宝石の上品なデザインだ。ジャックナイフの街の海が見える小高い丘でそっと首に装着する。

 何か悩みがないかと言うといつデートしてくれるかが最大の悩みだと今デートしているのに言う。彼女なりのユーモアだったようだ。それとは別にエレクトラの話だ。無理をし過ぎて心配だと。不思議と悪口は出ない。


 昼過ぎ迄公園でいちゃいちゃし、実家に向かう。

 丁度何かの会議を行っていて母親しかいなかった。エレクトラの時は家族が字の読み書きが出来ず手紙で俺の妻になると伝えていなかったが、彼女は近況等を手紙に綴っていた。なのでいずれ俺が訪ねてくると覚悟を決めていたそうだ。

 父親を呼び戻そうかというが止めさせた。

 彼女の家はボレロのにある最初に買った屋敷より少し小さいが立派なものである。貴族ではないが努力の結果として立派なものだ。


 暫くして父親が戻ってきて昼食を食べに行く。

 その前に剣を渡すと気絶しそうになっていた。売れば屋敷をもう一つ建てられる価値があるからだ。


 彼女の性格は父親譲りで、父親は真面目で厳格な者だ。マイアの事で唯一失敗したのは服装のセンスを治せなかった事という。まあ似合っているが幼い顔立ちを強調しているのは否定しない。

 俺が父親とうち溶けているのが不思議だったらしい。彼女は終始俺の手を握って嬉しそうだ。父親が苦手だが尊敬をしている。不正を許さずまじめにコツコツやって今の地位にある。

 そう言えば各総督が船での交易がうまく行っていないという事をぼやいていた。どうも不正が多いのだとか。

 彼女の父親はここジャックナイフで3番手らしい。


 別の大陸との船での交易を取り仕切らないかと持ち掛けると驚いていた。皇帝の刻印者の父親という立場で贔屓されるのは駄目だという。俺は交易が上手く行っておらず、各総督から信頼の置ける人物がいないか相談されていて、信頼の置ける者はいるが交易の素人ばかりだ。証拠が無いが不正で利益が出ず交易も衰退しつつあると。

 どういう人物か会話である程度把握し、正に探していた人材で、土下座してお願いしようとしたら、察したようで土下座を止められ就任を了承された。


 食事を終えて、家で話の続きをしていると緊急事態と部下が家の玄関を激しく叩き知らせを持ってきた為父親殿は少し席を外していた。

 ところが血相を変えてその者を連れて俺の所に来て説明を始めた。

 隣の大陸と交易をしているが船が戻ってこず、向こうからの船も来なくなった。

 調査船を送り漸く戻ってきたと。

 複数の港町に人っ子一人おらず壊滅したか、何かの理由で街を放棄したと。

 俺は心当たりがあった。漁村がそうだ。話し込んでいると夕方で母上が食事を用意していたので皆で食べる。明日各総督を集めるミーティングが有るので父上に参加をお願いして一旦話を切り上げた。


 風呂と食事を終えてマイアの部屋にいる。彼女は俺と父親が話しているのが嬉しかったと。構ってあげられなかったとお詫びすると、ただ隣で仕事をする俺の横にいるのが嬉しいという。

 そんな彼女が愛おしく、助けられて良かったと思う。

 彼女は俺が助けてから服に困ったと嬉しい悲鳴をあげたと。胸の大きさが合わなくきついと。小さな胸を大きくして貰い物凄く嬉しかったと。乳首も乳輪の形が綺麗じゃなくコンプレックスだったが俺の欲望の詰まった胸にしたのだが、彼女の理想だったらしい。

 自慢の胸をよく見て欲しいと懇願され理想の胸にしゃぶり付きそこからお互い理性が飛ぶのはあっという間だった。そうして恋人達の夜は更けていくのであたった。

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