第231話 良くない
朝目覚めると目の前に生の胸があった。天井は見えない。
知ってる胸だ。そりゃあ当たり前だ。昨夜いっぱい堪能したんだ。ちゅうちゅう。時間停止の副作用は今はやらなく無くなったが、以前の後遺症で時々赤ちゃん帰りしてしまう。
特におっぱいを出して坊や追いでと言われるとばぶってしまう。
今は膝枕されているから見えるのは胸だけだ。
何時もの事だがじっとガン見する。するとステータスが表示され、確認するとちゃんと刻印持ちになったのが分かる。
マイアは怒らせると俺でも近づきたくない位機嫌が悪くなる。しかし普段は虫も殺せぬ穏やかな性格で、今はその天使のような笑顔を堪能している。
お母様が食事を作ってくれて四人で食べる。郷土料理といい、家庭の味に俺は涙を流していた。普段は店の料理か調理人が作ったのを食べている。いつの頃からだろうか、というより家庭の味はエレクトラの母親の料理迄はこの世界に来てから食べていない。
そうして美味しく頂いた後は父上を伴い総督達との会議に参加だ。その前にマイアをワーグナーの自室に送り届ける必要があるのだが。
俺がゲートを出すと
マイア「無理しないでね」
と俺が無理をすると予測し先手を打ってきた。中々鋭い。見た目はぽわわーンとしていておっとりしているが中々周りを見ていたりし、見た目に油断しがちだ。
俺は頷きキスをして出掛けた。
会議の場所は1か月で持ち回りで今月はボレロだった。
日常の話題と議題を片付け方、いよいよ本題だ。
貿易船について確認報告をしてもらう指示をきのう出して、概要だけでもまずは掴むよう指示した分の報告だ。
結果は芳しくない。
どの地方の港も多少の前後はあるがこの1ヶ月の間船が来ないのと、送り出した船も帰っても来なくなった。向こうの問題であれば、こちらの所属の船はとんぼ返りで帰ってくる筈だが所属の港に戻ってこないという。
各総督の報告に皆驚いていた。
1地方の問題であればなにかちょっとしたトラブルで足止めを食らったとも考えなくは無いが、取引先の街は全ての地方が別の街でダブっていない。
おかしいのは明白だ。
俺は念の為
「こういう事はよくあるのか?」
皆が首を横に振る。
「つい数日前に今後の事を考えて向こうの大陸に俺が単独で行ったんだよ。どこの村かは分からなかったが、小さな漁村で漁船が放置されている状態で誰も居なかったんだよ。廃村になり放置されたと思っていたが違うようだな!取り敢えず船の出港は一時中止だ。俺が直接探ろう」
タオが
「ランスロット様、また無理をするのではありませんか!?」
「どうだろうな。向こうには魔王がいる筈だから遅かれ早かれ無茶はせざるを得ないかな」
「魔王絡みだと仰るのですか!?」
「いや、違うだろうな。あるとしたらこちらに攻めてくるだろうな。取り敢えずメンバーを厳選してまずは調査をするよ」
そうして今日の会議は終わり、マイアの父親には交易を再開する時の為の準備をお願いした。
それと引き続き調査だ。
当面の活動資金を渡し解散となった。
どう見てもおかしい。すっかり忘れていたがあの漁村が廃村じゃなく別の要因で住人がいないとしたら何だろうか?
いやな予感しかしない。
行きたくないが行かざるを得ない。放置すると余計厄介になると感じている。
折角ダンジョンから開放され俺の好きな自堕落な生活をしていたのにちょっとした骨休みにしかならないようだ。
戦闘系の人員を呼び、人員をどうするか協議をする事とした。
セレナも一度向こうには行ってもらう。一度でも行けば応援を連れてこれるからだ。
俺は唸っていた!もう少し休ませてと!せめて1年位はと。そんな暇を与えてくれる作者な訳がないのを理解していない志郎であった。
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