前のエピソード――第224話扉の先

　セレナは痛がったが嬉しいと泣いている。部屋の窓からは海が見える。

　そう言えば途中からセリカの姿に変わっていたっけな。

　俺は果てて少ししてから裸のセレナをお姫様抱っこし窓辺に立ち、愛している事を事を叫ぶ

「セレナ愛してる。この世が終わっても、周りが全て敵になろうと。セレナの事を愛してるんだ。君が俺の導き手なんだ。俺を導いてくれ！あああいいいしししてててるるるるるる！！！！」

　叫び終わるとセレナが大粒の涙を流している。

「ああ、あの時と一緒だ。この世界に来て最初に触れたのが志郎で良かった！初めて触れた時に見たまんまだよー！愛してるの！気が狂いそうだったのよ。志郎がいないこの数カ月は辛かったの。寂しかったの」

　今まで何か足らないと違和感が有ったがそれもなくなった。

　その後しっかり手を結び眠りについたのだった。

　次ぎに目覚めると無事刻印が刻まれていた。

　正式にセレナが妻になった。

　危なかった。後数分の猶予しかなかったのだ。魂食いに魂を喰われ寿命が僅かだったのだ。

「俺達は死ぬ時は一緒だよ。俺が死ぬとセレナがは数分以内に命が尽きるからね」

　セレナが愛おしい！頭を撫でてキスをし

「辛くないか！？おはよう奥様」

「うん大丈夫よ。やっと一つになれたね。今まで幸せなの。生きてて良かった。死んでいったクラスの子達の分まで生きていかなきゃね」

　それから他愛もない話をし、ゲートでワーグナーの皇帝宮へ行こうとしたら行けない！当たり前だ！行った事無いのだから。セレナが俺を連れて行ってくれた。

　そして各所へゲートを出して妻、婚約者、俺の隷属契約者の所へゲートを出して大食堂に集めた。

　ナンシーが皆に集まるよう指示をしていた。

　シェリーが司会をし俺の帰還の報告が始まった。

「まずセレナさんが志郎の妻になりました。おめでとう！」

　そう言うと一斉に拍手とおめでとうコールだ。

「それじゃあ続いて新たな妻になった裕美さんを紹介しーてーねー！」

　裕美が

「皆分からぬか！儂じゃよ。ダンジョンで5ヶ月程小僧と一緒にいてのう、今の体にして貰ったのじゃ」

　と始まりキングの正体だと伝えると皆絶句していた。

　そしてアイギスとウリアが俺の前に出てきて各々が伝えてくる。先にアイギスが

「あなたの初めての子よ私とウリアが身籠ったのよ」

　次いでウリアが

「私達がランスの最初の子を生むのよ！ねえねえお腹を触って！」

「うおおおお！よくやった！うんうん。おめでとう！そうかあ！俺も父親かあ！」

　そう言いウリアとアイギスのお腹に顔を当ててその膨らみを感じた。お腹の膨らみが前に出る体質の為昨夜は妊娠に気が付かなかったのだ。

　他にはナンシー達一部の妻に避妊せずに子作りをした。結局身籠ったのは二人だけだったが二人は皆の祝福を受けている。子育ては勿論母親を中心に皆で、コロニーとして愛情を注ぐ事になる。

　その後各総督を集め帰還を報告し色々問題を伝えられたりした。

　そして同席していたルシテルが相談役に退く旨を報告し、タオを正式に総督とする旨を伝えた。大きな事はこれ位で、別途呼んでいた奴隷局からの欠損奴隷の持ち込みや保護状況を報告してもらった。昨日の今日なので当然不正確な事を承知でだったが、まだまだ先は長い。

　俺は今日これから欠損奴隷の欠損修復を行いに行く。

　その後は妻達の相手だ。

　当面午前は皇帝としての政務を行い、午後からプライベートな時間とした。

　当面どうやって決めるか分からないが昼食後妻達の相手だ。如何せん人数が多い。

　２時間置きに入れ替わる。昼から二人、風呂と食事をし、もう一人、そして一緒に寝る二人。

　こんな感じで全員の相手をする。勿論添い寝は刻印の儀式があれば別途行う事となる。

　刻印を希望する者が新たに５人いるがまだ妻に迎えると決めてはいない。

　水樹やレフトアイ達は２０歳まで待つ事となった。知らぬとはいえシェリーや当初奴隷として来た面々を２０未満でシェリーの場合１７歳で年齢を固定してしまった。色々な年齢層の妻がいる事になるがやはり待てるなら大人の女性として２０歳を待とうとなった。

　この者達は良い。もう妻と一緒だ。年齢的に刻印の儀式をしていないだけだ。

　しかしクロエに預けたこの誘拐され四肢を切り落とされ、救助後欠損修復をした前衛４人、後衛１人の冒険者達はハーレム入りを希望していた。俺が皇帝と知らずにだ。

　大陸統一の事があり保留にしていたのだ。

　今ではブラックスワンに並ぶ勢いの全員S級冒険者だ。そして今は俺の親衛隊だ。

　俺に命を救われ、そして惚れたのだ。しかも愛の覇者とは関係なくだ。その後に愛の覇者が発動しはしたが、俺の為にいつでも命を投げ出すと言う。

　現在１８，１８，１９，２０、２１だ。俺も俺の為に必死に頑張っているのは知っていたし、そんな彼女達が健気で愛おしい。先伸ばしもできず、特に２０歳と２１歳の二人には焦りも見える。まずこの二人だと思い、妻達の相手を一巡したらデートをしてと妻に迎え入れたいのだ。既にナンシーからの報告で実態のよくわからない妻会議で承認されているというのだ。

　そんな感じで予定を決めていくのであった。