第204話 夢の中の彼女
ふと目覚めると俺は床で寝ていた。
顔を洗い朝食を食べる。ぼーっとしていたが段々と意識がはっきりしてきた。
そう、ヒロミを失ったのだ。まさかの事態だ。
一人で落ち込みながら食べ物を無理矢理喉に押し込む。食べ終わると体の調子を確かめたりしていた。
シェルターの入り口にはヒロミの装備が転がっており、取り敢えず収納に入れようとした時にふと気が付いた。
後で処分しようとして処分していなかった、じゃなくてすっかり忘れていたヒロミの腕があった筈だと思い、収納を確認する。そうすると見つかったのだ。
思わず小躍りし涙が出た。
「ふははははは!有るじゃないか!体の一部が!欠損修復で再生しちゃる!」
気が付くとそう叫んでいた。復活できる筈だと確信したからだ。蘇生を行うと俺は気絶すると思うから、ヒロミの食事と着替え、風呂に入るかもだからバスタオル等も準備してた。そして嫌味ったらしいメモを置いておく。
死んでしまうとは何事ぢゃー!俺がいなかったら本当に死んどるぞ!生き返らせてやるからありがたく思えよ!ふふふふふ。
P.S 気絶している俺の体を労るように。魔力切れで気絶している筈だからね!と。
そして欠損修復を行う直前に、人間だった時の体を思い描くとどうなるかと想い、まずは今の部位のみの欠損修復を行う。すると妙に細い人間の体の一部に変質した。念の為、半分に切断し半分は収納に入れた。万が一の時に再チャレンジする為にだ。
そうして欠損修復と蘇生を同時に行う決断をする。
出来る筈だと認識し、本格的な欠損修復を開始する。一気に魔力が吸い取られ、欠損修復の段階で意識が朦朧としている。細身の体が出来つつあるが
「ヒロミって小柄だったんだな」
とぼやいた。そして意識が朦朧としてきたが、ある程度欠損修復も進んできたので蘇生を行った。やはり残りの魔力がぐいっと吸われ、口から血を吹き出しながら気絶していった。
俺は夢を見ていたようだ。泣いている彼女が俺を抱きしめて感謝をしているのだが、何故か裸だ。
また現れてくれたんだな!夢だけど俺は喜んでいた。
キスをされまくり、俺もその唇を貪った。
10分以上が過ぎたがいつもと違いまだいてくれた。
そうか夢だからだよな!?と思う不思議な状況だ。
彼女と致し始めるようとするとまだ駄目と言われ、あなたはまだ魔力枯渇の影響下にあるのだから休んで!と言われ膝枕をしてくれて頭を撫でられた。裸の女に膝枕されているのだから絶景だ。堪能していると子守唄を歌い出し、再びブラックアウトした。夢も終わってしまい、本格的な眠りについたので有った。
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