第155話 相討ち

 翌朝は普通に目覚めたので二人を起こさない様に部屋を出てダイニングで食事の準備をする。収納から、出して並べ始めるとクレアとニーべリングが朝の挨拶と共に現れた。

 クレアは配膳の手伝い、ニーベリングは紅茶を煎れてくれた。


 準備をしていると皆が揃ったので、そのまま食事をして何も無かったかのように準備をし、ダンジョンに繰り出していった。


 先のボスでのドロップはお揃いの鎧だった。サイズがナンシーとクレアのだった。


 ここから幾何学模様の壁の階層が始まった。

 道中の魔物はごく普通で問題なかったが、皆が交代で戦闘をしていて、俺はドロップの収納係だ。拾うのも皆がする。


 この後のボス戦が俺がやらざるを得ないと分かっているから、道中は収納しかさせてくれない。


 39階はボス前のウォーミングアップの為少しだけ戦ったが、殆ど出番無しだ。


 皆強くなっている。

 ステータスアップ以外でもだ。


 そして50階層のボス部屋に向かう。俺は何となく感じてはいたが、クレアの忠告でアンタレスを出し、ライトソードを顕現している。

 俺以外は角にて待避させる。一人でボス部屋に入る選択肢は、一緒に入らないと俺以外がボスを倒したとの認定を、ダンジョンからされないと感じていた。


 先ずはいつものコンボを試す。違いは中心部にもアイスウォールを出した事だ。

 多分顕現した瞬間にアイスウォールによるダメージが入る筈だ。


 やがて中心部が光出した。

 ボスが出現してきている。

 出現中に熱湯を注ぎ蓋をしている。


 やがて俺は何かを剣で受け流したようだ。

 アイスウォールが破られデーモンが出てきた。40階層の奴と少し違うが、格が違う。


 俺が受け止めた為に逆上して狂ったように襲ってくる。

 魔法を織り混ぜて剣で斬り結ぶと時折何かを弾く。アリゾナ達を切った技かスキルのようだ。


 アンタレスもライトソーも、防いでいる。


 時々お互いダメージを貰う。


 なんか片手を切り落としたが、それでも、見えない攻撃が止まない。

 しまいに俺は耳を切り落とされ、体に傷をいくつも負う。

 40合位打ち合い、アイスアローが奴の頭にヒットしてふらついたので、転移で頭上に飛んで落下しつつ脳天にライトソードを刺して決着したが、その時反対の左肩から袈裟懸けに俺の体を切り裂いた。


 俺は崩れ落ちた。咄嗟にヒールを唱えると出血は収まったが、心臓を持っていかれた。

 相討ちだった。



 やがて誰かが駆けつけて来たが、意識が遠退き、ブラックアウトしたのだった。


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