第147話 ボレロでの再会
眼が覚めるとルシテルが寝息をたてていた。
俺が優しく丁寧に接したからか安心したようだ。
ちゃんと刻印が有るのを確認してほっとした。
頭を撫でていると急に呻き出し、苦しみ出した。
急ぎ起こしたが、体を乗っ取られている間の夢を見たという。
キスをし、安心させる。
部屋を割り当てられているので、着替えて連れていった。
俺はルシテル以外の妻達全員を連れてカービングの屋敷にいる。執務室だ。
これからボレロに迎えにいく。
バトルシップは武装し、オリヴィアもスタンバっている。
最後にボレロに行った時の街にゲートを出して皆と別れた。
セレナに念話をして、至急迎えに来るよう指示をした。
即反応し、セレナが武装して目の前に現れた。剣を握り締めて、怪我をしていて血が垂れている
「ああ、ランスだ。助かるのね。大変なの。街がねた」
キスで塞ぎ、 ヒールを掛けた。
「分かっている。先ずは皆の所に連れ帰ってくれ、話は後だ」
セレナが俺の手を握り、先程まで いた所に飛んだ。いきなり乱戦だ。ライトソードを顕現して一気に押し返す。
セレナが手を引き、ナンシー達がいる所に着いた。全員そこにいる。皆が俺を見て驚いているが手を向けて
「再会の話は後だ、あれを何とかしよう。スタンピードか?」
ナンシーが返事をする。
「仲間を呼ぶから周りだけ駆除してくれ。戦えない者はゲートで避難をしろ。ナンシーとシェリーは向こうで皆を頼む」
ゲートを開き
「戦闘中だ戦闘要員のみ来てくれ」
そういうとバトルシップとオリヴィアのみが来た。ナンシー達に身振りでゲートに入らせるが、フレデリカ、アンバー、カトレア、クレア、ブラックスワン、ファイルヤークリスタルの面々が残った。
ナンシーは代表、シェリーは皆の護衛として行かせた。勿論セレナもだ。
皆に周辺を駆除させて、オリンズとホーネットは好きにさせた。俺はオリヴィアを伴い飛行し、城壁に立つ。破壊された城門をアースウォールで塞ぎ、サラマンダーを20体出現させて飛ばす。
そして城壁内にいる者に向けて大きな声で話す
「SSS冒険者でワーグナーのランスロットだ。ワーグナーとカービングの皇帝でもある。俺が来たからにはもう大丈夫だ。魔物を駆逐してやる。共に戦うんだ!俺に続け!」
魔法を駆使して城門近くの魔物を殲滅した。
ライトを唱え、オリヴィアを抱きしめて飛んだ。
20m位の高さから魔法を撃ちまくり、地上に降りてからは、二人でライトソードを出して魔物を倒しまくった。敢えてライトソードだ。
わざとかなり派手にやった。まあ知名度は上がっただろう。城門の近くは内外共に俺とオリヴィアであっという間に駆逐し、一段落したので城に近付いていく。
クレアを見つけるとそちらに向かう。クレアに状況を聞くと、2日前に突如スタンピードが発生し、2時間前に城門が突破されてクレア達も戦いに巻き込まれたと。また、4日前に王城の街へ着いたばかりだという。
必死に仲間を守ったので、幸い死亡者はいないという。予知で踏みとどまるべきとあったので、購入した拠点を中心に耐えたという。そっと抱きしめてキスをする。他のメンバーもねだってくるので、オリヴィアが俺の護衛をしてくれた。オリヴィアも久し振りの再開なのだから、抱きしめてキスぐらいする時間位は稼ぐから!と背中を押された。残り7人にも同じようにしてあげた。そうするとキスをしたメンバーに少し変化があった。俺の変質した魔力が少し流れていくのが感じ取れた。
クレア達に俺の記憶が戻った事と、ルシテルも娶ったと簡単に経緯を説明した。セレナだけは一人で説明する必要がある。この事態を想定して彼女だけはもっともらしい理由をつけてワーグナーに置いてきているのだ。
ワーグナーの城にゲートを出して兵2万を引き入れる。俺と共に城を確保する為に向かて行く。勿論他のメンバーもだ。
いつの間にかオリンズ達も戻ってきており、俺を先頭に堂々と進軍する。街は目茶苦茶だった。やはり一気に城へ向かったようで、城へのメインの通りだけが酷かった。極偶に脇に逸れる奴がいたようだ。城の入り口で戦闘が行われている為、周辺の魔物を兵に駆除させて、俺達は城の内部に向かう。オーガの群れを中心に兵を蹴散らしていた。城の外にいるのはオークを中心とした奴らばかりで、強い魔物は全て城内に突入している。
俺とオリンズ、オリヴィア、ホーネットの4人で謁見の間を目指し、他のメンバーは城の入り口にて侵入者を蹴散らすように指示をした。
謁見の間で王を囲み最後の抵抗をしている。俺達がオーガを一方的に駆除しているので皆驚いていた。皆はそのまま前進し、俺は飛んで王の前に立ち、オーガをライトソードでサクサク切り捨てていく。数分で城内の安全を確保し、外周を兵で取り囲んだ。
「貴方様は一体どなた様でしょうか?」
王が問うので俺は命令口調で
「ボレロの王よ、我はカービング及びワーグナーの支配者にして、真の勇者であるランスロットだ。冒険者ランクもSSSだ。聞いた事はないか?」
「貴方様がかの皇帝陛下なのですね。ボレロをお救い頂き感謝致します」
「うむ。恐らくダンジョンから湧き出ている筈だ。カービングとワーグナーも同じ状況だった。ダンジョンの場所は分かっているのか?」
「はっ!把握してございます。一週間前に突如出現したと聞いております」
「うむ。我と我の仲間でダンジョンを攻略してやろう。ボレロはこの後どうする?我の庇護下に入るか?」
「ははー。我がボレロ王国は皇帝ランスロットの庇護下に入る事を望みます」
国王は俺に跪き土下座を始めた
「相分かった。皆の前だ、立つが良い。ワーグナーの兵で城を囲っていおり、ボレロの兵の召集が終わるまで警戒に当たらせる。そうだな、明日の昼からダンジョンに入る。帰還後王権を譲渡するのだ。ただ、実質は変わらない。そなたをボレロ地方の総督に任命し皇帝の代理人とする。つまりワーグナーと同じだ」
「有難き幸せ。一つ謝らなければならない事がございます」
「なんだ?」
「皇帝陛下に差し出す娘がおりません。既に全員嫁いでおりますし、その娘達の子もまだ一番上で10歳にしかなりません」
「ちょっと待て。何か誤解があるようだがまあその事は後で話そう!どんなふうに俺の事を聞いているのか気になるな。カービングもワーグナーでも、俺は女性を差し出せと強要してはいないぞ。彼女達が俺に惚れて嫁いで来ただけだからな。だから気にするな。それより屋敷か屋敷を建てられる土地が欲しい。俺のボレロでの拠点が欲しいんだ。城には住まないからね」
丁度海沿いの小高い丘に良い土地があるという。貴族街の端だが景色がよく、一番高級なエリアだと。ただ、土地からだと屋敷が完成するまでに時間が掛かる旨を言ってくるので、収納に屋敷が入っているから、給排水の接続工事をする位で大丈夫と伝える。
夕方になり兵が集まったので、城壁の警備をさせる。ワーグナーに兵を戻し、カービングにゲートを出して皆の所に帰った。
そしてナンシー達にもみくちゃにされ、一人づつ抱きしめキスをした。流石にナンシー達に買わせ保護した日本人には握手だけだ。
既にナンシーがワーグナー側の妻達と話をしていた。
今日はボレロにいた妻達が順番に寝室に来る。一人づつ15分位しか相手を出来ないが、それでも、少ないとはいえ二人きりの時間を必要としていた。
次の者が時計を持ち待機し、一分前に声を掛けてから時間に入る。
これで、戦闘中を避ける。
何をしたかは秘密です。セレナは抱きしめ話をよく聞いただけだよ。妻達は・・・てへ♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます