第141話  帰還

 ダンジョンから城に戻るとアリアとセチアが迎えてくれた。

 予測より長かったので気が気じゃなかったようだ。


 俺は頭を撫でて、留守を託していた事のお礼とお詫びをした。


 メイベルとドロシーは国王を呼びに行っている。


 俺達が不在の間は時折魔物が攻めて来たが、精々1000匹が纏まって来る位だったと報告を受けた。


 ダンジョンの入り口近くで監視を置いていたが、新たな魔物は沸かなかったようだ。


 俺は国王にダンジョンの攻略宣言を出して、王都周辺を兵士1000名単位での巡回殲滅を命じた。


 皆の前で命じてハットなった。まだ彼は国王だ。

 しかし恭しく命令を受理し側近に色々な命令を出していった。


 ワーグナーの兵士はゲートで城に返した。

 既に夕方近くだった。今日はドロシーをカービングに残して、ゲートでワーグナーの屋敷に帰った。ドロシーは連絡役だ。明日朝またカービングに向かう等。


 屋敷に戻るとクロエとロトナに熱烈に迎えられた。


 夕食の準備が出来ていたので、久し振りの屋敷での食事となった。


 それと風呂の後、クロエの指示どおりに皆の部屋を訪問していった。

 おかしいと気が付くべきだったのだが、アリアとロトナの二人を双子セットで、不思議な経験をした後、最後の訪問がもとい、寝室への訪問者がドロシーだった。

 可愛がっている時に違和感があった。

 そう嵌められたのだ。というかドロシーは連絡役でカービングにいるのだ。


 熱烈合体を始めた当初、それが生娘である事に気が付かず、合体した時にようやくメイベルと気がついた。俺は焦った。刻印の儀式を急遽行う事になったからだ。もうしちゃったからね。後戻りできない。用意周到で、腕を結ぶ紐も持っていた。


 ダンジョンで一緒だったのだ。デートはしていないが、一緒に戦った仲間だし性格も、人格も尊敬できる。何より愛していた。俺の心配は、致し始める時に、ドロシーと思い込んでいた事だ。その為に、抱いている女性を、愛しているとの強い思いが有るからとはいう、無事刻印が刻めれるかわからないのだ。彼女と長い年月を共に過ごしたいと思う。だから無事刻印が完成していて欲しいと祈ったのだ。


 しかし、疲れからか猛烈に眠かった。メイベルを大事に抱き寄せながら眠りについたのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る