第121話  戴冠式に挑む前に

 戴冠式の少し前まで行軍に同行していた。


 ある程度で兵には休息させて、女性陣を伴い城にゲートで向かった。


 予定を変えたのだ。

 よくよく考えると俺のゲート使えば皆で参加出来るのだと今更ながら気が付いたのだ。


 既に馬車の中で皆に鎧を着せて貰っおり、今は城の待合室にて待機している。


 転移してから約2ヶ月でこの展開にやらかした感でおろおろしてるのだが、格好付けの性格から皆に話せれていないが、クロエにはぼそりと不安の呟きを聞かれていた。


「いつも自信満々なランスの意外な面を見れて嬉しいわ。私には何でもぶつけて良いのよ。だから一人で抱え込まないでね」



 クロエには敵わないな。なんでも見透かされているようです!なので甘えるっす!あ、赤ちゃんプ・・・・・い、今はやめよう。これから大事な式典だ。しかし


「そう言えばこれからどんなふうにすれば良いんだ?」



「はあぁ!ってラ、ランスロット様、い、今なんて言ったの?まさかきのう説明したの聞いてないの?」


「あれ?なんか聞いいてたっけ?」



「ああなんで、こんな人好きになったんだろう?あああああください!時間をくださいいイイイイ」


 ロトナが少し壊れてきたけど


「悪い悪い冗談だよ冗談!ちゃんと分かってるよ!昨日一生懸命ロトナが説明してくれたからね。ロトナでもちゃんとした話ができるんだなって驚いたけどな」


 取り敢えずロトナに覚えた手順を話すと


「バカバカバカバカランスロット様のあんぽんたん、むっつりスケベ、スケコマシ!折角の晴れ舞台だからロトナは頑張ったのにね酷いよー。私の事を何だと思ってるのよ!」


 泣き出してしまった。

 俺は慌ててロトナを抱きしめて


 [ご、ごめんな俺が馬鹿だったよ。本番はちゃんとやるからさ、何でもするから許してね!]


 パット明るくなったロトナが


「うん、よろしい!何でもするのよね?」


 俺は失言に気がついた


「お、おお男になる二言はないけど、俺が出来ないこともあるからな!」


「じゃあ今晩刻印を刻んで下さいまし。それなら可能よね!男に二言はないって言ったわよね!うふふ」


 してやられてしまった。ええやられましたとも。妹に先を越されて焦ってるのかな。


「くうう。分かってるよ俺も男だ!に、二言は無いよ」


 ドアがノックされ兵が表われ戴冠式が始まる旨を言われ俺以外は皆係に誘導され出ていった。


『僕は後戻りの出来ない状態に追い込まれちゃってるよね』


 俺はかなり弱気だった。そんな呟きを僕と言っていたのだから。


 そして司会の大きな声と共に扉が開くのだった。


「真の勇者たるランスロット様の御入来ーーー!」


 俺は頬を二度叩き


『しゃあない、いきますか』


 と呟きその広く長い謁見の間を突き進むのであったけど、心は沈んでいたけども。

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