第120話 出立
朝目覚めると穏やかな笑みでアリアが見つめていた。
ちゃんと刻印が刻まれた事が確認出来た。
「おはよう。愛しい方」
「おはようございますランス」
「体は大丈夫かい?」
「まだ少しダルいのですがこれが魔力が馴染む為のダルさなのですね」
「うん、そうなるね。今から朝の訓練をしてくるね」
と言いキスをして屋敷に戻り朝の稽古と日常のヒトコマがそこにはあった。
昼食を済ませセチアに暫くのお別れを惜しまれたものの、成長の為に頑張ってくると出発の準備に余念がない。
今日はオリヴィアの問題を片付けなければならなかった。
S級以上で受付嬢をしているのがおかしいので、ギルドを退職か休職して冒険者をする事になった。
まあ今後の事を考えるに退職だろうな。あの冒険者達はさぞ残念がるだろうが現実は厳しいと知って貰おう!
また、後任の専属をどうするのかになり、人選はクロエの裁量に委ねる事にした。
カービングへの出立は昼頃なので一通り装備等の見直しを行っている。すっかり忘れていたロードオブナイトに魔石で強化を行ったり屋敷のメンテナンスを少ししてみたりしている。それと執務室で神の手の訓練をちょいちょいと練習している。
ふふふ皆驚け!とユリアの右肩を軽く叩く。振り向くとそこには何もない。続いて左肩を。そしてお尻を撫でる。
「ぎゃ~~~~~」
と叫んでどこかに行ってしまった。
俺の悪戯心は止まららない。
ホーネットが見えた。『フフフヘルムのお返しだ。喰らえ!』
と心で叫び、浣腸オオオオオとお尻に指をぶすっと。
「うげえええええ!出たあああぁ」
とお尻を押さえてどこかに行くが一緒に居たアリゾナが身構える。
さすがに鋭いので撤収。
次にクロエだ。やっぱ胸だよね。モミモミ
「めっ。夜まで待ちなさい。ランス」
何故かばれた。
懲りずにオリヴィア。鼻を摘む。
「ぶえ~~~」
変な声を出して笑えた。
じゃあ次はロトナだ
やっぱりモミモミ
ビクンとなり震えて怖がっている。おお!意外と女の子らしいな。
ドロシーは・・・・
「ランスロット様のエッチ!」
何故か一部の人にはばれるんだよな。中々思い通りに制御出来るなと一人執務室でぼやいていた。
じゃあ最後はセチアだな。
服を掴みセチアの前に持ってきて右に左に服をゆらゆらと振る。
セチアは顔を引きつらせながら
「いや~~~~でたー~~~~きゃ~~~」
と叫びどこかに消えていった。
慌ててるなあと思っているとふと気が付く。『あれ?俺執務室だよな。なんで皆見えてたんだ?』
悩んでいると慌てたセチアが駆け込んできた。
「ラ、ランスロット様、ふ、服が飛んでたんです。怖かったです」
ちょっと罪悪感が出た。
「驚かせてごめんね。ギフトの練習をしていたから何か掴んでいた気がするが服だったんだな。まだうまく制御出来なくてさ」
セチアがジト目をする。そして次々と皆が駆け込んできた。
皆異常を訴える。俺はそ知らぬふりをする。
「俺の所は何ともないぞ。そんなことよりそろそろ出立の時間だな」
セチアの目線が痛かったが皆首をかしげながら出て行った。
今日の出立は俺も同行するようにしている。今日だけなのだが初日は王女達の馬車に同行をする。
アリアはまだ歩くのも辛そうなので俺が直接馬車にお姫様抱っこで乗せている。馬車にドロシー、セチア、アリア、俺が乗り込む。そしてクロエとオリヴィアが馬車に乗り正門迄同行する。
アリアの様子から昨夜何があったから皆察していて馬車が動き出すと
「おめでとうアリア。これで私とソウルメイトね」
クロエに言われ真っ赤になったアリアが可愛かった。なんか穢してしまったようで居心地が悪かったが、アリアは良くも悪くも大事に愛情を注がれ育ったのがわかる。
そしてオリヴィアとドロシーがモジモジしている。
正門の所で手続きに入っているので俺はクロエとオリヴィアをギルドに送り届けて、正門に戻ったのだけど、既に俺は王扱いだった。
カービングまでおよそ二週間の予定だ。
馬車の中で俺は腐っていた。三人に求められていちゃいちゃしてぐたーっとしている。緊張感がまるで無かった。
何事もなくと言いたい所だが、王都を出て10分位で魔物500匹位の群れに襲われ兵士と共に俺が戦った事が一番大きい。王都から逃げ出した奴らがいたのだ。
そうこうしていると隣町に着き本日の野営となった。
俺はセチアと同室、ドロシーとアリアが同室となり、暫く会えないセチアが珍しく甘えて来て居たので大事に扱って暫しの別れ前にお互いの愛を確かめ合ったのだった。俺も久し振りのば車で疲れたのか早々に眠りに落ちた。
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