第38話  儀式を

 皆が服を着がえると俺は4人のステータスに偽装を行った。


 そして服屋に出掛ける。ナンシーは一旦ギルドに仕事に戻り夕食の店を予約して貰う。

 店に着くと女性陣には服と下着を選ぶように指示をする。シェリーは


「ご主人様に夜伽で楽しんで頂く為に真剣に選ぶんですよ」と言うと4人は下着を買って貰える事に驚いていた。そして夢中になって下着を選んでいた。シェリーさんやい俺にも聞こえてるんだが。

 普段着と冒険者の服も選ばせる。下着は普段用を数着。

 俺は店員にネグリジェを人数分選んで貰う。

 俺にもナイトガウンとバスローブも。

 そう、宿屋暮らしで寝間着が無かったのだ。


 皆が服や下着選びに夢中になっている間に近くの食堂で朝食の買いだしを行った。勿論収納に入れる。

 武器屋に寄り、人数分の短剣と各種武器を買い足した。

 俺は


「おっちゃんパーティーメンバー用の武器を買いに来た」


 と話をすると頷き


「またなんか面白いドロップ武器は無いのか?」


 と聞いてくる。今は無い旨伝えて買い物を済ませて引き上げる。そろそろ夕暮れである。


 服屋で大量の服を買い、次に靴屋に行き4人の足を測って貰い、取り急ぎで普段履きと冒険者用の靴を購入して履き替えさせた。そして冒険者向けの靴と普段履をオーダーメイドで注文していった。

 ナンシーから予約した店にそろそろ向かって欲しいと、自分も向かう旨連絡が来た。


 ちょっとした高級店に入る。

 個室を借りており俺の左右にシェリーとナンシーが座った。4人が床に座ろうとするのでテーブル席に座らせて、今一度床に座らないでとお願いした。

 4人はとても驚いた。

 ナンシーに注文を任せた。4人には選ぶ事が出来ないだろうから。


 そして料理が出揃う。日替わりの定食。皆同じのを選んでくれていた。

 4人は大層驚いた。人数分あると言うのは自分達のも有る事と理解したからである。俺は


「今日は4人とは奴隷と主人という形での出会いだけれども、これも何かの縁と思い俺の家族として頑張って生きて行こう。

 皆で協力して出来れば楽しく生きていって欲しい。皆との出会いが素晴らしい事に成る事を祈ろう。この出会いに感謝を」


 とお茶で乾杯し一口食べた。そして皆に食べるように命令した。命令しないと中々食べないからだ。

 俺は席を移動しつつハンカチを片手に4人の涙を拭いていった。

 4人はかつてのシェリーと同じくがむしゃらに我を忘れて下品に食べていた。これを予測して個室の店を選んで貰った。

 俺も席に戻り完食した。4人が活き活きと食べる姿を見てこの子達を買って良かったと思う。

 その反面俺が買わなかった子達はどうなってしまったのかと今更だが思うのだった。良い奴に買われていったと祈ろう。


 食事を終えるとナンシーは荷物の整理が有るから今日は宿舎に帰る。落ち着いたらいよいよ引っ越すと決めたのだ。俺はナンシーに


「今日はありがとう助かったよ。ナンシーの今度の休みにデートしよう」


 とハグするとパッと明るくなった。この笑顔がたまらない。4人の冒険者の登録の準備と初心者講習の申し込み登録をお願いしておいた。それと出来上がったギルド服を渡した。これでナンシーのスカートの中は守られる。あれは俺の物だ。


 そして店を出て屋敷に向かった。


 屋敷に入る時に5人が先に入り一旦ドアを閉める。そして少し間をおいて玄関ドアを開けると5人が俺を出迎えて、


「お帰りなさいませご主人様」


 と俺を出迎えた。


 シェリーは度風呂の準備をしに行った。

 俺と4人は一旦買った服を各自の部屋へ置いた。

 そしてリビングで4人に抱きしめられていた。前後左右に挟まれて身動きが出来ない。クレアが


「今日は有難うございます。まさかあのようなご馳走を食べる機会は最早訪れまいと思っておりました。大変美味しかったです。服もあり得ないです。普通は貫頭服で有り、下着など着ることは許されるものではありません。ランスロット様は類い希なる方です。私はランスロット様と出会う為に奴隷に成ったんですね。ランスロット様、ああランスロット様。感謝します。こんなに優しくして頂けるなんて夢のようですわ。

 これは気の所為ではありません。お慕い申し上げます。子供を産めと言われれば産みますどうかお側にいさせて下さい。性奴隷でも何でも良いです。」


 と3人も同じようなことを言い、俺を神でも見るような目で見てくる。皆奇麗なので俺の心臓は破裂しそうだ。


 どうやら勇者が効いたのかどうかはわからないが、俺のスケコマシパワーが炸裂して、4人の心を頂いてしまったようだ。自分の子供と同じような年齢の娘に慕っている、抱いてくれと言われても倫理観がストップを掛けていた。


 俺は風呂に入る。水着のシェリーが皆と同じ様にして欲しいとの事だったので、背中を丁寧に洗った。嬉しいと泣いていた。湯船に浸かり、2,3日中にデートしようと誘った。また泣いた。泣き虫さんだ。

 そしてゆったり過ごした。気分が良い。信頼している為かもの凄く安堵する。気持ちって大事だよね。


 風呂を出てシェリーは自室に行き、俺は寝室に行った。4人は俺を待っていた。

 シェリーに予めくじを作って貰っていた。4人との刻印の儀の順番を決めるため。

 刻印の儀は異性の奴隷を購入した以上主人の義務だとシェリーにもナンシーにも改めて言われている。

 4人は待ち遠しそうにしている。

 色々なメリットが有るという。

 俺は観念した。そうそう、生活魔法で避妊が出来るそうだ。別名性活魔法。クリーンがキモだとか。


 勇者の刻印が別格らしい。既にシェリーに刻印の刻み方を聞いている。メリットとデメリットを聞くと4人の意思を尊重する事にした。何せ一度しか刻めないので慎重になる。失敗は許されない。メリットの一つに刻印主の居場所が分かるように成るのだとか。逆もそうで、刻印の有り無しでは精度が全く違うんだそうだ。


 勇者による刻印の儀式は条件が厳しい。

 まず心身共に一つに成る。一方的に欲望を満たしても駄目なのだ。

 お互いに心を込めると必要が有る。まあこれはお互い話をして仲良くなるしか無い。


 次が厳しい。行為に時間を含め、4時間一緒にそれも体の一部を接触し続ける必要が有る。魔力を流す事で相手の体に勇者の魔力を馴染ませなければ刻印が生成されない。離れていられるのは累計1分のみ。

 只寝ているだけなら何ともない。俺は念の為片手を手を握った状態で紐で結ぶ事にした。


 問題はトイレに行くときだ。一緒に入らなければならない。

 特に女性にとっては用を足すときに音が女性であっても聞かれたくない。ましてや異性になんて論外だ。


 また、勇者による刻印のメリットは計り知れない大きな物だ。実は一般的に知られていて、志郎も知っていると皆思い込んでおり、誰も説明しなかったから、志郎が皆が志郎との関係を積極的に求める理由を知るのはかなり後のことだ。


 おかしいと思う必要が有ったのだ。いくら倫理観の違う世界とはいえあまりにもモテすぎている。この後もそうだ。

 志郎の見た目の格好良さと性格も有るのだが。

 見た目のメリットが多く、惚れたとは言え体の関係を急いだ理由だ。それとナンシーが志郎のハーレムを歓迎している理由もかなり後に知ることとなる。



 早速くじを引いた。トップバッターはクレアだ。

 一旦部屋に戻って貰い俺の準備が整ったら迎えに行くとした。一人当たり4時間の長丁場だ。


 先ずはクレアを迎えに行き勇者による刻印の儀式をつつがなく行い、消耗しきった彼女を少し寝かし俺も仮眠を取る。4時間同じ部屋にいるという長丁場の儀式を終えて部屋に戻す。


 2番手はシータ問題なく順調に進んだ。

 3番手はエリシスだ。

 エリシスを部屋に寝かせた後食堂でシェリーと逢うとおはようのキスをした。

 朝食を共に食べ、朝食をテーブルに出し来た者に適時あげてと言い、消耗が激しいから彼女達は休ませるようと言い、これから最後のフレデリカの番と伝えた。


 そしてフレデリカを迎えに向かった。

 フレデリカにも刻印の儀式を行い昼に目を覚まし無事に儀式を終えた事を確認した。俺はまだ寝ているフレデリカをお姫様抱っこをして部屋に連れて行くと、ベットに入れて布団を掛けてそっと部屋を出た。


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