第34話 オークション
オークション会場に向かう道中ナンシーが気になる事を言っていた。この数日盗賊に襲われる被害が増えていて、二日前には3つ離れた街から向かっていた貴族が襲われて殺されたそうだ。どうやら奴隷の買い付けで王都に向かっていたようで何とか助かった護衛等が言っていたそうだ。
物騒だなと思うが、どうやら先日の赤いなんちゃら団の代わりに周辺から色々やって来てる様だ。近いうちに盗賊討伐依頼が入るかもと言っていたな。
そんなこんなで会場に到着して受け付けに向かった。昨日申し込みしていたのでスムーズにオークション参加の受付を完了した。番号札を貰い指定された席に着いた。 参加者にはスタッフが1人宛てがわれるが、ここの主が来ていた。今回は出品しないとの事で手が空いていたそうだ。また、参加者は入札した時や落札した場合などは渡された番号札の番号で呼ばれる。俺は21。
落札予想額が小さい順に始まり、最後がナンバー1だそうだ。
奴隷商によると今回の参加者は少なく事前に察知した為急遽出品を取りやめたという。ナンシーから聞いている盗賊の影響をいち早く察知したようだ。この男侮れないな。
そうこうしているとオークションが始まった。
狙うのは4番の元騎士
最初の出品はナンバー8(3)である。
1000万で開始
奴隷は番号が書かれた立て札の前に並んでおり、最初の一人が番号で呼ばれて前に出た。
指示されてゆっくり一回転した。
俺は奴隷達の服装に驚いた。着ているのはTバックのパンツと乳首を辛うじて隠す小さな布が付いた紐で結んでいるだけだ。パイ乙の形がはっきり分かる。酷い。陰部と乳首を隠しているだけでほとんど裸だ。性奴隷として購入するのに躰を見れないと買いにくいからだそうだ。
括弧の数字は過去のオークションで落札されず、流れた回数だ。8番は今までもわざとその場で失禁して買い手が付かないようにしているんだとか。そうこうしていると足元に水溜まりが出来て周りからまたかと呟きが聞こえた。
俺が驚いて腕を伸ばし奴隷商に
「あの子大丈夫か?」
と聞いていたら司会から
「21番様入札です。他には有りませんか?無いようですので21番様にて落札です。」
と言われ皆の視線が俺に集まる。
ルールちゃんと聞いて無かったが、やってしまったようだ。ナンシーから
「4の方を買うのではなかったのですか?」
と聞かれ、開き直って
「いやーそれがさー腕を伸ばして指を指すのが入札とは知らなくてさ」
と話すと奴隷商とナンシーから驚きの顔を向けられ、
「あはははは」
と乾いた笑いを発する事しか出来なかった。
2番目に3(1)番
よく見るとお尻と背中に大きな痣がある。蒙古斑だろう。
純朴そうな田舎娘と言った感じ。顔は癒し系。あと二年もしたらもの凄い美女になる予感。胸も申し分ない。やっぱりついつい目が行ってしまう。
身長は160前後か。躰はウエストがかなり細いと言うかがりがりである。多分、今ベッドインしても萎えるレベル。メイド要員が欲しく、料理が出来るのがポイントと思っていた。2000万スタートだが誰も入札しない。一度流れてるのは蒙古斑が原因だろう。16才だからいくら何でももう少しで消えるだろう。これが無ければかなり高額だろうと思う。俺は買いだと思い
「誰も居ませんかそれでは」
と流れそうになったので入札し、落札した。ナンシーが驚いていたが、
「あの痣で値段が付かないんだろうね。あの子きちんと育てれば凄いと思うよ。ちゃんと食べさせてあげればがりがりも改善するだろうね。」
と言うとジト目で
「胸が気に入ったんですか?」
と俺が胸をまじまじと見ているのに気がついて聞いてきた。
「胸は確かに奇麗な形をしているけど、それだけじゃ買わないよ。田舎の出みたいだから家事全般出来そうだと思うから、屋敷でのメイド要員にと思ってね。いやだったかい?俺が胸を見てたのは、大勢の前で裸同然の格好で立たされて可愛そうだと思ったからだよ。」
と図星であったがしれっと言うと
「ごめんなさい。つい私ったら。ちょっと嫉妬したみたい。確かにあの格好は酷いですよね。厭な女と思いましたか?」
「そんな事無いよ。恋人の前で無神経だったね。ごめんね」
と言うと満足そうに頷いた。
3番目は7番 俺は見送る。結構好みの外観だが毒殺怖すぎるだろう。
当初落札を考えたが見送った。3100万で落札されていった。
6番 犯罪奴隷は良いが盗賊は敵である、駆除対象である。
顔は良いので3人程応札し3800万で落札されていった。
5番 美人だが幸が薄そうで見送った。でっぷりした商人が3500万で落札
4番 俺の目的はこの子だった。騎士団所属だったのだから戦力として期待したい。大きすぎず小さくもなく好みの大きさだ。何ってそれは何でしょうね。顔も良い。男装の麗人になりそうだ。
躰も鍛えられている感じ。14で奴隷になったようだが既に騎士か騎士見習いだったのだろうか。面談の時に聞きそびれた。ナンシーも
「ランスの見立て通りでこの中で一番戦力として期待できそうですね。丈夫な子も産めそうな感じで良さそうですね。」
とさらっと意味深な事を言う。ナンシーの発言はおかんみたいだ。
「ははは」
と笑って俺の想いは封印した。揉み心地について頭によぎった事などだ。
入札をする奴に殺気を向けている。お陰で余り値が上がらない。三回程応札し勿論今のところ俺がトップ。俺にも威圧を使ってきているようでレジストしている。俺が怯える様子が無いので彼女はピクピク引きつって驚いて居る感じだった。そして3900万で落札した。ヨシ!俺に威圧を使うなんてけしからんパイ乙だ。後でもみもみの刑でお仕置きだな。
彼女もそうだがウエストが細すぎる。栄養が足らないんだろうな。惨いな。
何とか家具などを買うお金が残せれそうだ。
奴隷商が言うには普段の参加人数だと5千万には届くだろうとの事。
もう買う予定は無いので残りは見るだけにした。
夜伽要因で1番の子欲しかったな。愛玩用にしか思えなかったが。ふとナンシーの肘が俺の鳩尾に強く当たった。最近ナンシーは鋭すぎるな。
奴隷商に本当なら出すはずだったのを見せて貰うようにした。
18才の赤毛。80-54-80 152cm位と小柄だ。
元王族。奴隷歴9年。敗戦国の姫君 超絶美人である。牢に入れられていて俺の事を見下した感じで見ているのが気になる。取り敢えず面談してみる。
一通り高等な教育を受けている。聖魔法と水魔法が得意。家事全般をこなす。戦闘訓練は少し受けている。得意武器は槍、聖魔法と水魔法の組み合わせで回復魔法に特化しているっぽい。一応メイドの教育を受けている。
この子欲しい。既に3人買ったので怒られるかなとオロオロと考えているとナンシーが
「どうされますか?冒険者には向いて居なさそうですが。」
「うんそうだね。聖魔法とメイド力有るようだから、回復役か屋敷の管理全般をお願いするのはどうだろうか。」
「一人は屋敷の管理人必要ですから良いと思いますが、予算オーバーに成ると思いますよ。もうお金は余り残っていないと思うのですけれど。」
そこで俺は奴隷商に
「売るなら幾らだ?」
と聞くと奴隷商が耳元で
『1億Gでございます。勿論処女ですし色々仕込んでいますよ。王族を奴隷にするのも一興でございましょう?見下した表情ですが主に対して絶対服従としっかり教育してございます。」
うーん予算オーバーなんだよね。
うーんメイドも欲しいな。ふと悩んでいるとシェリーが、
「奴隷引換券を使わないのですか?」
と聞いてきた。すっかり忘れていた。奴隷との面談の為に奴隷商は一旦部屋を出る。この子に聞いた。
「もし自由になったら何をしたい?」
と聞くと、つまらなさそうに
「国を滅ぼした奴に復讐したいと言いたいですが、それよりも可能なら母上をお救いしたい。母をこの国の王の凌辱から救えればと願います。」
どうやらこの国のデブ王が奴隷にして散々凌辱しているそうだ。
「俺が君を買い取り母親を助け出したら君は俺に何が出来る?」
「もし可能なら我が身も心もそなたに捧げる覚悟がある。性奴隷として其方の欲望のはけ口に喜んで成ろう。」
相当な覚悟のようだ。
「俺はこの国に恨みがある。第二王女にしょんべん掛けて奴隷にしなければ俺の心は収まらない。王は屑だから処分したい。俺の所へ来い。然らば母親を助ける為の力を得るられるだろう。俺の元へ来たいか?」
と手を差し伸べる。
先程までの舐めた態度は一変し、優雅に挨拶をしてきた。そして俺が差し伸べた手を握った。その瞬間電気が走り、俺の横で必死に仲間を庇いつつ死神の鎌を振るう女神の姿が一瞬思い浮かんだ。驚いた表情で
「仰せのままに。心を壊されし勇者よ。其方が望むなら我は剣の一降りに成ろう。我が身を捧げるに足る絶望を超えし勇者よ。我は予言者なり。共に手を取り共に生きよう。決して己を失うな。」
と心に聞こえてきて、
「私をお導き下さい」
と俺の奴隷に成る旨を伝えてきた。
奴隷商を呼び、引換券にて彼女を引き換えると伝えた。今のは何だったんだろうか。
結局4人の奴隷を購入してしまった。
シェリーとナンシーに
「奴隷を抱くのも良いですが、私達への寵愛も大事にして下さいね」
とまだ致していないのに言われてしまった。
この辺りの倫理観が日本と違いすぎる。
戻ってきた奴隷商から手続きについて説明を受けた。
奴隷の受け取りは明日に成るので今日はそのまま引き上げる。
今日一日でご主人様の元へ赴く覚悟を持たす為に最後の教育を行うんだそうだ。これは買われないと心の準備が出来ない為である。
ギルドで奴隷商への支払い手続きを行う事となり、ギルドへ向かう事とした。
引き上げる前に金貨を少し渡し、
「身を奇麗にし、まともな服を着せてやってくれ。」
と言うと奴隷商はにやにやしながら、メイド服はいかがですか?と言うので
「あるのか!!!」
と聞くと頷いた。そして俺も頷いた。それと名前を考えておいて欲しいと。既に彼女らの名前は捨てさせており、番号の仮名しかない。命令しない限り元の名前は言わないだろうと。
俺とナンシーはギルドへ。シェリーへは服屋で今日買った奴隷達の服を適当に買っておいてね!と指示を出しそれぞれ動いた。
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