第10話 世界の亀裂
一面には鮮やかな草原が広がっており、遠くには深い緑の森と頂上付近に白化粧を施した大きな山々。
上を見上げれば、何処までも飛んで行けそうな、限りなく青い空が広がっている。
それは同じ空なのに、町で見る物とはまるで別の物に見える。
「すいません。大和さん…」
「ん?」
俺達は昼食を済ませた後、各々行動していた。
ルゼは食事中、雅の記者としての体験談をえらく気に入り、その披露会は二人だけでまだ続いている。
それは、先程剣を向けられていた者と、向けていた者の関係とは思えない程楽しげな物だった。
俺は一応、ルゼには雅に変な事を口走らないようにと、雅にはルゼに変な事を吹き込まないようにと忠告した後、菜乃と二人で外の空気を吸いに旅走者の屋上へと上がっていた。
先程の緊張した空気を一新したいが為と、純粋に町の外の世界を見てみたかったからだ。
そこで一緒に景色を眺めていた菜乃が、俺に謝罪の言葉を掛ける。
「どうしたんだ急に?」
「いえ……その、今回の件、なんだか大和さんに任せっきりな気がして…本来は私がちゃんとしなきゃいけないのに…」
菜乃は申し訳なさそうに俯いている。
多分、雅との会話を殆んど俺がしている事を気にしているんだろうか。
時期家元の後継者同士、本来ならば菜乃と雅が話あった方が形的にも正しいと言える。
だがそれは決して菜乃のせいでは無い。
「いや、こちらこそすまん…俺がでしゃばり過ぎた…。俺は勝手に雅を信用していい。と結論付けたが…菜乃はどう思う? なんなら今からでも引き返して良いと思うが…」
精神的疲労から信じられないが、志咲を出てからまだ数時間しか経っていない。
菜乃が雅を信用できないと言うのならば、今のうちに引き返した方が良いだろう。
「いえ、私も今回のラーヴェンツへの訪問は神野崎家にとっても必要な事だと思います。四旺家とは関係無しに、私達自身が黒陽へと接触を図る方法もありますが、それを黒陽が受けるかは不確定ですし…」
確かに、一度俺達が志咲に戻って、雅が言う通りに黒陽家に真っ向勝負を挑んだとしても、それを黒陽家が受けるか確証は無い。
雅と黒陽家の間に、実際はどんなやりとりがあったのかはわからないからな。
黒陽家から留学の許可を取り付けられたのも、雅自身の交渉力の影響があるかもしれない。
「それに、私も雅さんは悪い人では無いと思うんです…。うまく言えませんが…あの人は隠し事はしていましたが、なんとなく嘘は言っていない気がします…。誰かを本気で貶めるような事をする人には見えないんです……。こんな考え、家元の娘らしくないんでしょうけど…」
冷静に判断すれば、雅の行動は同盟相手への情報隠匿。
その情報はこの同盟のきっかけと、黒陽の家柄だけと言えばそれだけの話だったが。
黒陽と言う未知の相手に挑むには出来る限り隠し事は避けたい。
だがどんな組織の同盟においても、真っ白な同盟関係ってのは珍しい物だろう。
問題はそれが判明した時どう対処するか…。
「俺はそれでも良いと思うけどな。信用から始めなければ事態を動かせない時もあるだろうし。全てを疑っていたら、それこそ身動きが取れなくなるだろ。 まぁ、俺は性格が悪いし、臆病なんで疑ってばかりだけど」
「………」
俺の言葉に菜乃は目を丸くする。
まずい、今のは我ながら偉そうな事を言った気がする。
相手は同級生なんだぞ…励ますにしても、もっと適切な言い方があったはずだ。
やらかしたな…。
「フフッ……大和さんが――って…」
すると菜乃の口から笑いが込み上げる。
いや…。 そこまで笑われる事を言った覚えは無いんだが…。
「……」
「あ、す、すいません…。 大和さんが、自分の事を臆病だなんて言うから…つい」
「俺は臆病だぞ…。面倒事は避けたいし」
「本当に臆病な人なら、ここまで付き合ったりはしませんよ。そもそも、ibsを間近で見た事があるなら、あれと関わりたくないと思うのが普通です…。それなのに、ここまで平然と一緒に来てくれて、しかも私の変わりに必要な情報を雅さんから聞きだしてくれたのですから…。実は…私自身、本当はあまり喋る性格では無くて凄く助かってるんです」
「まぁ…一応俺はルゼの保護者だしな…。あいつだけを神野崎家に預けておくわけにもいかんだろ…」
菜乃がまたも、笑いを零す。
「じゃあ、少なくとも、大和さんが性格が悪い。ってのは無いですねっ。性格の悪い人がルゼさんの為にそこまでしませんよ」
「いやまぁ……。どうだかな…」
菜乃が何か言いたげに此方を見つめてくる。
辞めてくれ、そんな純粋無垢な笑顔を此方に向けないでくれ。
なんか変な気持ちになってくる。
俺はそんな人間じゃねぇっ!
―――――――――――――――
――――――
「今回は気付けなかったようですね…」
二人の後ろには影があった。
先程まで、ルゼと楽しくお喋りしていたカメラを持つ少女。
屋上へと出る扉をひっそりと開けて、気付かれぬようにと静かに聞き耳を立てている。
その正体は、
そう、敏腕美少女記者の私だ。
「神野崎家の時期家元、若くして将来の伴侶と逢引か!? と無粋な記事を書いてしまいたくなりますねぇ…。まぁそんな事はしませんが…」
ルゼさんが眠ってしまったのでベットまで運び、また改めて軽い打ち合わせしようかと二人を呼びに来たのだが…。
「はぁ…ほんとにやりにくい相手ですねぇ…そこまで信用されても何も出ませんよ? まぁ…こちらとしてはありがたい事ですけど…」
フッと一息ついて二人にバレないよう、ゆっくりと扉を閉める。
「明日にしときましょうか…」
少女はゆっくりと階段を降りて行った。
時間はまだあるのだから、気長に行こう。
残りの約四日間、ラーヴェンツに着くまでにはまだ時間がある。
その間に三人には、しっかりと役割を頭に入れてもればいい。
―――そう思っていたのだが。
まさかこの旅が始まって二日目に、この旅路を計画した本人ですら、あんな事態になろうとは思いもしていなかった。
――――――――――――――
――――――
「だ、駄目です…大和さんっ…私はこんな事、私は……」
「ん? 菜乃自身が言ったんだろ? 俺にして欲しいって」
大和さんの腕が後ろから優しく私を抱きしめる。
そのまま私の顎に手を添えると、耳元で小さく囁かれる。
「ほら、ちゃんと言ってごらん? 菜乃のどこを…弄って欲しいんだ?」
違う、私はそんな事考えてないっ。ただ、母さんや、ルゼさんや、雅さんのようにして欲しいだけ…。
ただそれだけ、私は…私はそんな、はしたない事……っっ。
「菜乃…正直に言って欲しい…」
「わ、私は…大和さんに…大和さんに…っ」
大和の手に、そっと自分の手を重ねる。
凄く、大きい……。今正直になれば…きっと私はこの逞しい手で……。
大和さん……っ。
「―――起きてください、皆さん、起きてください―――」
「ひゃあっ!? な、なに!?」
部屋内に設置されたスピーカーの鈍い振動と、聞き覚えのある声が響き、ベットから叩き起こされる。
さっきまで私は彼と共にいたはずだ…。だが彼の姿はどこにも見あたらない。
――――皆さん、すみませんが起きてください。中央ホールに集合お願いします。
至急中央ホールに集合お願いします。
自分が夢を見ていた事に気付いたのは、車内放送で雅の深刻そうな声を聞いてからだった。
―――――――――――――――
――――――
「一体どうしたんだ!?」
「もぉ朝からなんなのぉ~。ふぅわぁ…」
俺とルゼは部屋着とジャージのまま、旅装車の中央ホールへと駆けつける。
朝起きたら、まずルゼと俺が同じ部屋にされていた事への文句を雅に言いつけようと決めていたのだが。
この様子だとそれどころでは無いようだ。
「すいません、皆さん。想定外の事態が起きてしまいまして…。菜乃さんはまだ起きていないのでしょうか…?」
「す、すいません。今来ましたっ!」
少し遅れて菜乃が顔を見せる。
その姿には違和感があった。
「あれ、もしかして菜乃さん。寝間着を忘れたのですか?」
菜乃は、上はパジャマなのだが、下は七分丈のジーンズを履いている。
確かに、どう見ても外着用にしか見えない。
「い、いえ、あのこれはっ、私っ、下の、いや足の汗が尋常じゃないのでっ、下だけ急いで変えてきたんですっ!」
「足だけですか…? 珍しいですね…。というか私も少し焦っていたので…皆さんを急かしてしまいました…。一度着替えて顔を洗う時間はあります。ibsが攻めてきたとか、そういう事じゃないので安心して下さい。それまでに私は警護隊の皆さんと情報の収集に努めますので、準備ができ次第、またここへ来てください」
雅が焦るなんてらしくない気がするな。
俺は何があったのかと不安になり、菜乃はどう思っているんだろうかと様子を見ると。
目が合った瞬間に顔を逸らされてしまった。
俺なんかやったかな…と思った瞬間に閃く。
なるほど、俺とルゼが同じ部屋で寝ていた事に対して、また変な勘違いをしてるんだろう。
全く、困った物だ。俺だって好きであいつと同じ部屋で寝たわけではない。
雅の采配とルゼの我侭で押し切られてしまっただけだ。
「お前のせいだな」
「え、わたしまだ何もやってない」
まだってなんだ。
まぁいい。とにかく雅に言われたとおり着替えて来るか…。
そうして、急いで準備を終えた俺達は、また中央ホールへ戻った。
菜乃も、ほぼ同じタイミングで部屋に入ってくる。
「待たせた。で、何があったんだ?」
「それがですね…実は…」
雅が何処か言いにくそうに口を開きかけたとき、扉がノックされる。
「失礼します。お嬢様。」
その人物に俺はつい反応する。
「リカルドさん?」
部屋に入ってきたのは高身長で強面の男性だった。
彼は四旺の縦走車に乗っている。警護隊の隊長、リカルド・マーフ。
警護隊の人達とは一日目の休憩時間と、夜の入浴、夕食は旅装車の中で行うので、既に顔を合わせている。
最初はその強面から、とても厳ついイメージがあり、装備も常に防弾チョッキ着用と、とても近寄りがたい雰囲気だったのだが。
「おはよう、大和君。すまないね、こんな朝早くに起こしてしまって…しかもまだ、二日目だと言うのに…」
「いえ…俺は全然構いませんが…」
この通り、実際はとても人あたりの良い人物だ。
夜に皆で食事をした後、俺は菜乃とルゼと雅で星空を見ていた。
町から見る星空も相当に綺麗な物だと思っていたが、広大な平原から見上げる星々は格段と違って見えた。
その夜は運が良く、オーロラも姿を見せていて、俺達が見慣れぬ輝きに夢中になっていると、
冷えるから。と、皆に毛布を持ってきてくれたのが、リカルドだった。
四旺では雅の護衛を勤めている人物だそうで、普段から気を張っている為に厳つい顔が癖のようになってしまったのだとか。
そして今、その警護隊の隊長が縦走車を降り、休憩時間でも無いのに旅装車を停車させている…。
これは、それだけのトラブルが起きたと見て良いだろう。
「リカルド。周辺及び、渓谷の様子はどうでしたか?」
雅がリカルドに対して、真剣な顔で何かを聞いている。
雅のリカルドへの態度と、リカルドが雅をお嬢様。と呼ぶ辺り、はっきりとした主従関係が見て取れる。
「レイナが確認した所、周辺には、あの渓谷以外に変わった物は見当たりませんでした。今の所ibsもいないようです。そして、あの渓谷なのですが…やはり遥か北東寄りへと続いています。規模からして縦走車でも通れる場所は無いかと思われます…」
渓谷? それらしい物は地図上にフィヨンド大渓谷ぐらいしか無かった筈だが…。
地図上には無い小さな渓谷でも発見したのだろうか…。
「それは…大変不味いですね…」
雅とリカルドの様子に菜乃も焦りを浮かべる。
とにかく、俺達も何があったかを知りたい。
「おっと、すいません皆さん…。ではリカルド、今の現状報告と、何があったかの説明を皆にお願いできますか」
「了解しました」
雅の言葉にリカルドが一礼すると、テーブルの前に歩み寄る。
すると、腰の鞄から一枚の大きな紙を取り出しそれを机に広げた。
「現在、我々は志咲から出立して二日目。ラーヴェンツまでの距離は約半分になると言うところまで来ている…。だが、今日の朝、5時13分に問題が発生した」
テーブルに広げられた紙は地図であり、リカルドが俺達の現在位置を指差している。
確かに、もう少し走れば残り半分ぐらいだな。
「我々は、ラーヴェンツに辿り着く為に、このルートを走ってきた」
リカルドは靖旺から志咲、志咲からの今ままでのルートを指でなぞる。
「靖旺から直進できれば二日で辿り着けるのだが、それができないのは皆が知っている通り、靖旺の西側にはフィヨンド大渓谷が連なっている。よって志咲方面に迂回しなければ、ラーヴェンツには辿り着けない」
それは俺でも知っていた。
ラーヴェンツとは関係無く、大陸の西側に行くにはこの大渓谷を越えるか、北側へ大きく迂回しなければならない。
だがフィヨンド大渓谷は、大渓谷と呼ぶに相応しく、その規模は超えるには難しい。
ibsの存在もあって、警護隊を付けた旅装車で迂回するのが、西側へ渡る基本となっているようだ。
「そしてここ。そのフィヨンド大渓谷が終わり、山岳地帯に入ろうとしたここで、問題が起こった」
雅が地図を睨みながら、唇を噛み締めている。
「我々の、大渓谷を避けた現在の進行方向に、大渓谷が現れた」
「ん?」「え?」「んん~?」
俺と菜乃とルゼは、それぞれの反応を見せたが意見は共通していた。
大渓谷が…現れた?
どういう事だろうか…目の前に予想していない風景が現れたって事はつまり。
「今までおかしな道を走ってたって…事ですか?」
「いや、そうでじゃない…。言葉通りに、無かった場所に大渓谷が現れたんだ」
リカルドの強面がさらに皺を刻む。悩ましげな表情だ。
「じゃあ、皆さんには、まず、見て貰いましょうか…外に出ましょう。目の前にそれはありますから…」
俺達は雅の言う通り、旅装車の外へと出る。
そこには、俺達が予想していた以上の物が広がっていた。
「これは、確かに…」
「大渓谷……だな…」
「うわぁーーーー、ヤマト、すっごい崖だよ崖っ」
リカルドの言ったまま。目の前に広がるのは大きな渓谷だった。
鋭い岩肌が剥き出しになり、身を乗り出さなければ下までの覗けない程の、大地に刻まれた巨大な亀裂。
だが、俺はこの光景に見覚えがあった。
いや、光景と言うよりも、写真で見た事がある。
「これは、フィヨンド大渓谷では無いんですか?」
岩の色や、鋭さ、規模からして俺が見た物と特徴が似ている。
道を間違えてフィヨンド大渓谷にぶち当たったと言う事では無いのだろうか。
と思ったのだが、その疑念に雅が答える。
「確かにこの渓谷はフィヨンド大渓谷、とも言えるかもしれません」
「とも言える?」
「はい、この渓谷は恐らく、フィヨンドからの地続きで発生している物です。それが延々と北東寄りに広がっています。 勿論、最初は私達も道を間違えたのかと思いました。ですが、靖旺の位置をベースに測定される、位置情報機に問題はありません。周辺の丘の形や、この渓谷以外の周りの風景、そう言った物の特徴も一致しているんです」
「じゃあ、この渓谷は一体…」
目の前の巨大な渓谷に圧倒されながらも、菜乃が雅に聞く。
「私達は、この渓谷が、一晩で出来た物ではないか、と考えています」
こんな物が一晩で出来ただと…?
「仰りたい事はわかります…。 もし原因が地震や地殻変動だとしても、ここまで大規模な物が出きる程の物ならば、我々が気づかない筈がありません。かと言って時間を掛けて作られた物でも無い。こんな物ができれば、西側の各地に滞在している四旺の人間から報告が来ていたはずです」
理解が追いつかない…どういう事だ?
まさか誰かが掘った訳でもあるまいし…。
「原因は私達にもわかりません。ですが…私達の進行方向に…この大平原のど真ん中に、この大渓谷が現れた事だけは、事実です」
俺はまたも、その渓谷に視線を落とす。
雅はこの渓谷が、北東に続いていると言った。
俺達はフィヨンド大渓谷を避ける為に、まず北側へと迂回していたはず
だが、そのフィヨンド大渓谷に続き、さらに北東に向かってこの渓谷が現れたと言う事は、
西に向かう俺達はさらに、この渓谷を避ける為大きく迂回しなければならない事になる。
「ん…? これは……」
「どうしたんですか? 大和さん」
俺は渓谷付近の岩肌に、ある物を見つけ。
ルゼと菜乃が、俺が拾った物に顔を覗かせる。
「黒曜石だな…」
「なんか綺麗な石だね」
「こくよう…ですか?」
「ああ、黒陽家とは関係無い。これはマグマから作られる石だ。今思い出したんだが…母さんと父さんが、フィヨンドに行った時に持って帰って来てくれた事がある」
その話に反応したのか、雅もこちらに寄ってくる。
「大和さんのご両親が、フィヨンドに…? 失礼ですが…一体何をされてる方なんですか?」
「両親揃って、地質学者だったそうだ。職場恋愛って奴だったらしい。詳しくは覚えていないが…溶岩が無いフィヨンドで、この石がある事は世界の不思議の一つだとかなんとかよく言っていた」
「へぇーなんか以外ですね…大和さんからそんなインテリ要素は感じ取れないんですが…親御さんは今は何をなさっているんです?」
「雅さん」
雅の質問を、菜乃が鋭い声で制した。
まぁ、予想していたが、菜乃は俺の家庭事情を佳代さんから聞いているようだ。
雅はその声を聞いて、少し焦った表情になっている。
どうやら菜乃の意図に気づいたようだ。
「気にするな。俺自身、親の事はほとんど覚えていないしな。じいさんがいたから別に不自由もしていなかったしなぁ。むしろ自由を謳歌していたぐらいだぞ?」
今は何処かの悪魔のせいでそうでもないが。
「あ、あの…ほんとにすいません…デリカシーが無くてすいません…」
雅は俺の言葉を聞いても、自分のした質問に後悔しているようだった。
しかも、前に志咲で俺にデリカシーが無いと言われた事もまだ引きずっているみたいだ。
「すまん、俺が言うのもなんだが…一流の記者を目指すなら、一々気にしなくて良いと思うぞ…? いや、ほんとに俺が言うのもなんですが…」
「ヤマトも私と同じ事されてるね!」
「ぐっ……」
ルゼがどういうつもりか知らないが、雅にとどめを刺す。
雅はルゼにも、散々過去の話を聞きだそうとした事を思い出したのか、かなり縮こまってしまった。
「ちょっと面白いな」
「大和さんは悪魔ですかっ!」
「へ?」
「ルゼは一々反応しなくていいぞ。で、リカルドさん、この状況どうしましょうか」
「あ、ああ…とりあえず、周辺の探索及び警戒をしている警護隊を召集した後、今後の方針を決めようと思う」
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