屍人荘の殺人

概要

 現在実写映画も放映されている今村昌弘原作の推理小説。新人ながらも多くの2018年度推理賞を総ナメした作品であり、現在第一線で活躍している推理作家のお歴々も絶賛するほどの一品。


あらすじ

 神紅大学ミステリ愛好会に所属する神紅のホームズこと明智恭介と、その助手を務めている語り手である葉村譲。趣味で本格推理を楽しむ二人の元に現れたのは、なんと警察からも探偵少女のお墨付きをもらうほどの才女、剣崎比留子その人だった。

 怪文書が届けられた映画研究会の夏合宿に参加してほしいと依頼する彼女。明智はその誘いに溜まらず飛びつき、映画研究会の面々に混ざってペンションに止まりに行くことに。

 多少のぎくしゃくを残しながらもつつがなく進行していく映画研究会+αでの合宿、しかしそんな平穏な時間は〇〇〇の襲来によって唐突に終わりを迎えることとなる……


オススメポイント

 既に〇〇〇が何であるかを知っている人も多いとは思いますが、一応今回は隠していく方針で行こうと思います。そのため本編の深い部分について語ることはほぼ出来ないです。

 ただ少しだけ情報を出すならば「特殊設定×本格ミステリ」という言葉が相応しい作品は他にあり得ないだろうということです。凶器は斬新、けれど推理はどこまでもロジカル。この作品は本格ミステリの系譜を受け継ぎつつ、ミステリという作品の枠組みを底上げした作品だと思ってます。

 恥ずかしながら私自身ミステリは門外漢でして、いわゆるライトミステリ程度にしか触れてこなかったんですが、この作品を読んでからは積極的に手を出し始めました。

 奇妙で不可解な謎が与えられ、その謎を論理的にズバッと解決する。

 ミステリそのものが持つ面白さに、奇抜で斬新な設定を上手くハイブリッドしたこの作品は、出汁を使ったカレーのような、圧倒的なコクと味わいを持っているのです。

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