第48話
しこうして目の前にホテル、メイヤードの廊下は伸びる。
あれきりレフは口をきいていない。
怒っている。思うからこそ百々もしょげて黙り込んだ。
そんな互いの間に流れる空気は重く、すぐにも重いに悪いを追い越してゆく。晒され続けたなら、なけなしの休憩時間などただの拷問タイムでしかなくなっていた。
でなくとも百々に安眠できる道理こそない。
「あ、あの、あたし一応、嫁入り前なんですけど」
ドアへカードキーを通すレフへ恐る恐る投げてみる。
「俺もだ」
返されて戦慄した。
何しろこの状況でその発言をどう解釈していいのか分からない。とにかく笑わねば。笑うところだ。百々は己へ言い聞かせる。このさい間合いなどどうでもいい。渾身の力を込め、ブ、と吹き出す。
「笑うな」
一喝されて伸び上がった。
「ココ、絶対、笑うところじゃんっ。笑うところなんだって。なのに笑っておかないとレフ、全然、面白くないよ。てかあたしの知る限り、ずっと、笑ってないよ」
捨て置くレフはドアを開けると水回りにその奥、足元のテレビが典型的な部屋の明かりをつけて回る。まくし立てて後を追い、目にした光景に百々は口をつぐんだ。
仕切りよ生えて来い。
並ぶベッドを前に本気で念じてみる。
奇跡など起きるはずもないなら、手前のベッドへ歩み寄ってゆくレフをただ目で追った。
「それで終わりか」
確かめるレフが胸ポケットから抜き出した端末を、マットレスへ投げ出している。
「お、終わりです、けど」
「窓際に問題はあるか」
答える前にだ。不服はない。示して百々は己が寝床へ急ぎ回り込んでいっ。
「べ、別に。どちらでも、けっこうです」
ならジャケットも脱いだレフはそれも放って、提げ続けた物々しいホルスターをサイドテーブルへと下ろす。
「何もなければいったん十時に端末が鳴る。俺がいない間に鳴ったなら動く前に必ず呼べ。定時以外に鳴った時は必ずだ」
「了解」
このときばかりは百々も気持ちを引き締めていた。
前にレフは腰へ手をあてがう。
「寝すごすな」
締めくくるものだから、今度こそ冗談だと思っていた。
「だったら起こしてくださいっ」
めいっぱいにつっこむが、レフは大きくため息を吐いただけだ。
「疲れた。寝る」
レフでも疲れるのか。聞くうちに浴室へと消えていった。
姿が見えなくなっただけでほっとするなど、一体どれだけイヤなのか。泥のようではなく、もう泥だ。まみれて百々は顔面からベッドへ倒れ込む。
「うぃ」
変な声が漏れるも致し方なし。着替えられるはずもないなら頭からシーツをかぶり、かの有名なマジックワードを空へと放った。
「ぐうん、ないっ」
と、応えて浴室から音は聞こえてくる。しかもドン、ガラガラと尋常ではない。
「なにっ」
跳ね起きていた。振り返って凝視する百々の前へ、タオルを手にレフは浴室から戻ってくる。上にはなにも羽織っていないその姿に、少なからずぎょっとさせられていた。
「なっ、なんですかっ」
「狭い」
だから文章で答えてくれ、と切に願う。
だが願いは届かずそれきりだ。どっかとレフはベッドの端へ腰を下ろした。向けた背で、やたら念入りに体をタオルでこすり始める。光景に何の儀式かと百々が目を瞬かせたことは言うまでもない。やがて思い出したあの古式ゆかしき健康法に、その口を開いていた。
「それ……、かんぷ、まさつ」
すなわち確かめざるを得ない、これはいきさつだろう。
「で、張り切って風呂場でぶつけた」
「だったらどうした」
憮然と返すレフに引け目はない。
「今、やんなくてもぉ」
「今日は移動で時間がなかった」
同時に知るのは昨日も一昨日も、毎日やっていると言う事実だ。だとして別にかまいはしなかった。漢字検定一級を目指している地点で何でもありだと思っている。だが状況が状況だった。そうまでやらねばならぬ事なのか。百々の方が萎えてくる。
「そういう問題じゃないよぉ。あたしだって寝たいのにぃ」
「体にいいと教わった」
言い切るレフに、いやそれほど病弱か、つっこみたい衝動に駆られる。果たしてこのしち面倒くさい習慣を誰が教えたのか。勘繰り、すぐにも最大の禁句にスルリ、謎を解いていた。
「……もしかして、日本のおばあちゃんに教わったの?」
レフがピタリ、動きを止める。
何か言ったか。
声を背で放ってみせた。
「て、てっ、思うじゃん。普通っ」
「おかしいなら笑え。大事なんだろう」
返され百々は息をのむ。
「そんな、じゃ、ないよ……」
「店でどう吹き込まれたかは知らないが、つるし上げて盛り上がったか。自分の噂も聞き飽きた」
言葉こそ、会場で言いそびれたもので間違いない。
話は終わりだ。言わんばかりそれきりレフは日課を再開させる。だがこんな所でおしまいにされてかなわないのは百々の方だった。
「ハートがさ、ハートが知らずに危ない橋を渡れるヤツがいるかって。あたしにも知る権利はあるって……」
言ってすぐにも言い訳臭さに気づかされる。
「そうか。死活問題ならだれもが神経質になる」
だからこそサラリと流すレフはハナから相手になどしておらず、しかしながら正論もまた口にする。
「それでもここがいいわけ?」
矛盾を問わずにはおれない。
「逃がすつもりはない」
常套句が純粋に、百々へ「怒り」を覚えさせていた。何しろここに来た誰一人、そう思わない者はいない。 返す唇は自ずと尖っていた。
「あたしだって……、あたしだって帰ってまた20世紀でバイトしたいよ。絶対、逃がしたくなんてない。技術は信用できないが心根はあたいする、ってハートに言われたじゃん」
そうして蒸し返した話は、それでも言っておきたい気持ちが勝ったせいだ。
「けど心根だけでテロリストとなんか戦えっこないから、あたしこそ陰で色々言われてるよ。なにもおばあちゃんのことを聞かされて信用できなくなったから見張る、って言い出したんじゃない。そんなエラソーなことさ、素人のあたしが言えるわけないじゃん。レフもいなきゃ捕まえられないって。だから何とか連れて行かなきゃ、って考えた結果だよ」
果てに下りた許可は奇跡で、浸ってただのお荷物になり下がりたくないなら百々は今や自身を「みなが納得して誰も怪我しない方法担当」とさえ名付けることにしている。
「仕事でも[私事|ワタクシゴト]でも、あたしは捕まえてくれたらなんでもいいって思ってるよ。蜂起を阻止できるならさ、何でもありだよ」
嘘はなかった。言い切るために必要だった勇気が、ブラック監督へ感想を話した時と同じに証明している。
だがレフは何も返してこない。
態度は次第に百々の口をへの字と歪ませてゆく。
ままに頑ななその背を眺めれば眺めるほどだった。
このままではハートの言う通りになるかもしれない。
聞く耳持たないこの様子に、盲目と走りゆく姿は百々の前へと浮かんでくる。
果てに招くやもしれないものは混乱と取り返しのつかない悲劇やもしれず、どちらだろうと許していいものではなかった。許さぬために、百々はここまでついてきていた。
「って、仕方ないじゃん」
テロリストと闘えやしないのだから、今ここで闘う。
「ダメって言うのにレフが勝手なことするからじゃん。その上、チーフの前で喧嘩まで始めるんだから。やっぱりあの人はー、って陰口が出るのも当然だよ。今も自分のことばっかでさ。逃がさないなら一人より、みんなとの方が楽勝に決まってるじゃんっ」
その地雷原、真っ向、駆け抜ける姿は採掘場のヒーローか。
お前はすでに死んでいる。
名文句さえ蘇る。
食らって、ヒデブ、は冗談だとして、この後も二人三脚での警護は続くはずだった。考慮に入れたならやはりこれは「言い過ぎ」で、ハッと我に返った百々の脳内でリンの音も、ちーん、と鳴る。
「なっ、なんてさ、とにかくここへ全員連れて来ることができたからには、ちゃっとリーダーを捕まえて全員、無事に帰ってもらうのが目標なんだよねっ」
付け加えていた。
「そのためにも振り払って独走はなしで行こうっ」
お姉さんと約束だよ。
小指を立てる。レフが見向きもしないなら、ままのポーズでとにかく笑った。いや笑えないこれが状況だからこそ、えへへ、あはは、うふふ、おほほ、でなおさら笑う。背にして黙々と乾布摩擦に励むレフに放置されたなら、切り上げるタイミングを見失って死にもの狂いで笑い続けた。果てにむせる。止まらずのたうち、げほげほ、ごほごほ、自分は一体、何をしていたんだっけ、で正体不明に陥った。
「……バーブシカは」
さなか、声を耳にする。
「ぁひ。ばおばぶ?」
いや、それは木だ。
「ロシア語が話せない。話せたとして、話したくなかったからだ」
最初、百々には何が起きているのか分からずにいた。
「寂しい人だったと思い出す。だから俺に日本語を教えた。週末の話し相手は大事な役目だ。バーブシカもそれを楽しみにしている」
ただ文脈から「バーブシカ」が「祖母」であることだけをくみ取る。
「入隊を決めたのは祖国に貢献するためだ。紛争地へ赴きたかったわけじゃない。だが兵隊はよくないとバーブシカは止めた」
ならくだりは早くも百々に嫌な予感を過らせる。だとして口を挟めるような余地はなく、拒むレフも日課の手を止めたきり記憶の中へと埋もれていった。
「俺は自分を通した。おかげで話し相手をなくしたバーブシカは誰にも会わず、家にこもった。年寄りのささやかな楽しみを奪った。そうなることは分かっていた。悪いことをしたと俺は思った。なら代わるものを探すことも役目だ。夏で表は明るい。美術館なら言葉もいらないはずだと考えた。とりわけ庭が美しいと聞いている。気晴らしにはうってつけだと俺は、思った」
果てにひとつ、百々の中へ像は立ち上がってくる。
「俺はバーブシカに美術館のチケットを贈った」
忘れもしない。
記憶の中でハートがまた、ばあさんは庭園美術館で宮殿施設ごと焼けて死んだ、と繰り返した。
レフも違わずそれをなぞる。
「年寄りの言ったことには従うべきだ」
ありきたりな言葉の中に、ありきたりな意味だけが見つけられないでいた。
「年寄りは大事にすべきだ」
光景はバスの中へとさかのぼる。
「正しい話はこれが全てだ」
振り向いたレフの目が百々を捉えていた。
「最大限、協力はする。覚えておけ」
百々こそ目を逸らすことはできなくなる。
だからか。
ひとりごちていた。
彼女に無理強いしなかったワケも。この日課も。漢字検定さえだろう。従い、守る妙なこだわりの全ては償いだ。それは捨てたとみせかけ、土壇場でヒロインの元へ戻ったあの主人公とよく似ていた。表の顔とは裏腹に、腹の底では忘れられやしなかったように。
それは私情で言っているのか。
嫌いハートは胸倉を掴み上げている。
引かないレフは白い面と気づけていない。
もっと冷静にならなきゃ。
百々もまた感じ取っていた。
だがレフはなおも逸らさぬ目で、百々が「わかった」とうなずくのを待っている。それこそ出来やしなかった。たとえ捨て切れない過去だろうと、今だけは捨てて逃げ切らねば映画じゃないのだ。統制を欠いて挙句に吹き飛ぶなどと目も当てられない。
タフなら。
とらわれたきりのレフへ思う。
タフなら笑え。
百々は念じた。
今夜にも闘わなければならないのだ。逃さないと言うのなら、笑い飛ばしてその思いから「距離」を取れ。
眼差しへと力を込める。
もちろんそこには人の死が、自ら追いやった身近な者の死が絡んでいることは分かっていた。
けれど、だからこそだ。
無理からだろうと、そのこだわりを笑い飛ばせ。
百々は思う。
それが土壇場でレフを、世の中を守るやもしれず、いつだって笑い逃れてきた百々にはそれが耐えきれない現実から身を守ってくれる最後の術だと知っていた。
だのに通じた気配はまるでなく、思い詰めるままにレフはクソ真面目と返事だけを待っている。つまり、ここぞ「みんなが納得して誰も怪我しない方法担当」の出番に違いなく、その名にかけてだ。百々は今すぐ、今すぐ思い詰めたその顔を笑わせてやる。思いをたぎらせる。白い面はぶん殴るに限る。なら脳裏でハートもけしかけていた。
だから目に留まったソレを疑う余地などありはしない。
転がる端を掴み上げる。
枕を百々はレフへ向かってただ投げた。
「なんだ」
それだけだ。
痛くもかゆくもないのだから、食らったところでレフも微動だにせず返している。だとして理屈こそありはしない。答える代わりに転がる枕を拾い上げる。無言で再び投げつけた。それもまた無防備と食らったレフは、初めてそこで眉間を詰める。顔こそことん深刻だった。深刻が過ぎて滑稽に見えたなら、作戦こそ間違っていないと百々は確信する。
跳ね返ってきた枕を掴み上げていた。ようし、でベッドの上へ立つ。
「なんだって、決まってるじゃんっ」
果てに突きつける指の痛快さよ。
「修学旅行の夜、って言ったら枕投げだよっ」
聞いていたレフが間抜けと口を開いていた。
目がけて百々は三投目を振り下ろす。
「スキありっ。でいやぁっ」
避けるレフが身を縮めていた。
「お前は人の話を聞いていたのかッ」
「聞いたっ。覚えたっ。だからものすごく、やりたくなったぁっ」
あまる枕も拾って両手に花と振り上げる。
「せぇいやあぁっ」
投げつけるほど上がるテンションはもう神か。
「わけがわからんッ。どういうッ」
「どうもこうも、ぐたぐだうるさぁいっ」
叫んでベッドから飛び下りた。レフの枕へと手を伸ばす。気づいてそこまでやるか、とレフは阻止にかかるが、動きはまるで間に合っていない。右に左だ。気合いもろとも百々はレフの顔面めがけて投げつけた。
「たりゃぁっ」
この近距離で一投目を避けるレフの反射神経はさすがだろう。だが避けきれなかった二投目はついにレフの顔面へめりこむ。うぐ、だか、むぐ、だか、くぐもった声は確かに聞こえて、剥がれた枕の向こうから短い前髪をつぶしたレフの顔はのぞいていた。百々はたまらず吹き出す。
「あははっ。その顔、もう最高っ。今の写真撮ろう。みんなに配信だよっ。なんたって噂のレフ・アーベンだもんねっ。いやー、もう一回、見せなさいっ」
と、陰鬱だったレフの目へ、みるみる気迫は舞い戻ってくる。何かが吹っ切れたとするならその時で、やがて怒りのオーラか反撃ののろしか。背にもわり、気配はた立ちのぼっていた。
「人の大事な話を聞かない、そのバカ面こそ……」
「おや、やる気、でましたか」
そそのかす優越感がもうたまらない。
「配信しろッ」
否や百々めがけて枕は飛ぶ。食らえばついに交戦開始だ。
「って、痛くないもんねぇっ」
己がベッドへ身をひるがえした。
向かってレフもヤケクソと二投目を投げつける。
「このトンチンカンがッ」
「ひっ、ひぃ。大事な話をするときは、ちゃんと相手を見極めなさぁいっ」
僅差でかわして、べろべろばー。百々は手を振り、飛んできたそれを回収する。投げつければ受け止められて、速攻、レフに投げ返されていた。
「ウル、サイッ」
「わはっ」
避けそこねて顔面を弾かれ、笑い、笑われ、サイドにオーバー、アンダースロー。右へ左へ。上から下へ。負けじと枕を飛ばし合った。叩きつけられたカーテンが揺れ、食らったテレビが迷惑そうに角度を変え、電話横のメモにペンが跳ねて消え、電気スタンドも倒れてあさってへと光を投げる。
やがて戦闘は避ける面倒を省いて接近戦となり、食らった相手の無様を笑って笑われた。また食らわされたなら闘志を燃やし、繰り返すほど息もあがればスポーツさながら気分爽快。大人だろうと枕投げ万、万歳だ。
と、前線も佳境にさし迫ったその時だった。不意に電話のベルは鳴る。
待て、と制したのは息を切らして手を突き出したレフで、端末ではないのだからフロントからだろう。枕元の受話器を取り上げた。
「なに?」
投げ損ねた枕を胸に、百々も電話口へと顔を寄せる。
二言、三言で受話器を戻したレフはといえば、つい先ほどまでのピローファイトが嘘のような真顔だ。
「隣の部屋から悲鳴が聞こえたと連絡があったが、おうかがいした方がいいかと聞かれた」
なるほど、いい年をして枕投げで怒られてみる。貴重な体験に冷めゆくスピードはシベリア超特急か。思い出したように飛び散った枕を、ふたりがかりで集めにかかった。
「お前の声が大きい」
「自分だって、なんかわめいてたじゃん」
「クソ。もう六時だ。寝る」
「あ、また無視っ」
ともかく、跳ねて暴れたほうがよほど長いベッドへ横たわった。手のひらをかえしたような静けさに眠るどころか目は冴えて、数分耐えたところで本当にレフは寝たのか、百々はチラリ隣をうかがう。
そこでレフは直立不動と、棺桶にでも入っているかのような姿勢で横たわっていた。これが目を凝らせば凝らすほど不気味になのだから尋常ではない。よもや死んでいるのでは、と思ったとたんだ。ガバ、とレフは起き上がっていた。
「なにっ」
「興奮して眠れなくなった」
死ぬほど驚かしておいて言うそれはセリフか。
「枕投げ、好きなんじゃんっ」
聞かずレフは浴室へ姿を消す。シャツを羽織って戻るとホルスターもまた担ぎ上げ、続けさま袖を通したジャケットの内ポケットへ端末を落とした。
「どこいくの」
「そのうち戻る」
ベッドの隅で靴を履く背が丸い。眺めたなら百々から自然、言葉はこうもれ出していた。
「これが終わったらさ」
いい提案だと思ったのだ。
「レフ、ウチへ映画、見においでよ。ブラック監督の新作も始まってるし、サイン、おいてるよ。小熊のチェブに詳しいスタッフもいるんだよね。絶対、話が合うよ」
しかし忘れ物はないかと見回すレフは鋭い。
「どうしてチェブの事を知っている」
「がは」
なんだかもう知ったことではない。
「もういい。終わったあとで考える」
レフも言い放つ。相変わらず愛想のない返事だと聞いていれば、出てゆくドアの音が離れた所でガチャリ、鳴っていた。
そうして安心したのではなく、安心させられたから、だ。途切れた意識に百々は急転直下で眠りについていた。
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