第8話 その八

 風に揺られて、ふわり、ふわりと飛んでいる。

 白いわた毛は、風にのる。

 日差しのまぶしいかぎりです。

 日光が照りつける中、微風が心地よかった。

 どこまでいくんだろう。

 風の向くまま。

 風さんは私をどこに運んでいくの。


 ああ、川に落ちてしまった。

 私は魚、魚よ。











 一面ピンク色だった。

 ここはどこ。

 おもちゃの馬が上下に動く、棒につかまる。

 回っている。

 同じような馬がたくさんある。

 ピンク色。

大きな、カップに乗っている。

 ぐるぐる回る。

 世界は回る。

 目が回る。

トロッコは坂を上り、坂を下る。

 髪の毛は逆立つ、なびく、なみうつ。

 ピンク色

 お兄様がいた。

「ここはどこなんですか?」

「夢の国さ、さあゆこう」

 二人は手を取り合う。

 楽しい。

 お兄様といるのは楽しい。

 心が落ちつく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る