第7話 その七
私の後ろに数匹ついてくる。広大な野原。列をなして歩く。後ろからはブヒブヒとかわいい声が聞こえてくる。
なんと従順な子たちなのだろう。
ピンク色の生き物ってなんてかわいいのかしら。トコトコとついてくる。
その顔が何十、何百、何千といる。
先頭は私。
豚を引き連れてどこに行こう。
どこにでも行ける。
この子たちとならどこにだって行ける。
ここはどこだろう。
空も大地も、大氣もない。
私は呼吸をしていない。
ふわり、ふわりと浮かんでいる。
体が軽い。
重さを感じなかった。
あれは、星かしら。
輝きを放っている米粒のようなものが、何もかもを飲み込むような水の底に点在している。
あれは……青いどでかい卵があった。
なにかしらあれは。
目を開けると天にきらめく星をうつしだす湖の水面(みなも)にぷかぷかと漂っていた。
黒という色に星の光が無数にちりばめられている。
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