コロニー活用計画
オルゴール通信をかけると、はたしてディアヌはルテティアにいました。
「私に知恵?確かに考えはありますが……そうね、やはりヨーロッパの問題、二人でよい提案を作りましょう、明日、スペース・ラグーンで話をしませんか?」
リュリュ・ゴヤを連れて、ディアヌはやってきました。
勿論ナスターシャはクセーニャを連れています。
ディアヌの考えでも、日本ホームとアメリカホームからは、『皆の意見に従う』という意見にまとまるとの事です。
「でもそんなに揉めないはずよ、事務局はすんなり通るはず」
「問題はコロニーの性格をどうするかだと思うの、ナスターシャさんはどう思う?」
「私が思うには、やはりコロニーはメイドの地域出身の集まり、そうですね、管理官府のように、細かく対応する組織、各国の地域を管轄する……うまく言葉にならないけど……」
「それよ!管理官府よ!」
?
「ハウスは執政官府、コロニーは管理官府、いままで全てハウスで行っていた仕事をコロニーに委譲する」
「ハウスが大きくなれば、当然発生する問題、誰も認めざる得ない、ましてコロニーは廃止されたわけではない……」
「仕事を移譲するとは?」
「事務手続きなどをするのは、一般女官の方たちや『女給』さんたち、この方たちを採用後は、メイドハウスの裁量で、該当コロニーに配属するのよ」
「マルスのハウスは結構忙しいですから、レイルロードのパスポート発行など、地域ごとに細かく分けるのは、サービス向上につながる」
「でも献上品の話はどうするの、小型のハレムにはならないわよ」
「そこよ、管理官府職員といえど、メイドに昇格できる道はあるでしょう、ここの間口を広げればいいのよ」
「ナイトガールってご存知、ミコ様のために、企業が抱えている専門のコールガールだけど、今ではその道の専門家などは採用しないわ」
「ナイトガールとはハレムの外のメイド補助、そのように取られているわ、あわよくば寵妃の位が手に入る、チタニアステーションのハイデマリーさんがひねり出した考えだけど、ストレート過ぎて百合の会議で批判を受けた、しかし、この考えを拝借しましょう」
「つまり、こういうことね、復活させるコロニーは、増大する事務処理のために増員する、『女給』さんたちの任用管理のため、そしてレイルロードのパスポート発行など、ハレム本来の仕事以外を移譲する」
「そしてここが肝心なところでしょうが、『女給』さんたちにも、メイドに昇格する制度をつくる、ただ事務処理を担当する一般女官ならその都度、名誉付きとして昇格させればよいが、ミコ様のお側近くに使える以上は、侍女でなければならない、つまり抱かれる覚悟が必要」
「ハレム外で、その覚悟を求められるのはナイトガールのみ、だから管理官府職員の中に、ミコ様のお身の回りのお世話ができる資格としてナイトガールを設定する」
「その通り」
「この計画を、正直にサリー様には申し上げておくことが肝要、内諾を得るためには『仕方ない女』がいいわね」
こうしてまとめられたのが『コロニー活用計画』、ハウスキーパー事務局にエカテリーナが提出すると、
マルスのホーム内の事、コロニーは制度として生きている。
運用方法で対処できるので、ナイトマネージャーの職権で行われたい。
との返事が返ってきました。
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