第2話 過食2

 長いまつ毛がカールしている。髪の毛はかつらだけど白とミルクピンクのグラデーションでたて巻きのロング。ドレスはウエストがゆったりとした薄いピンク生地でところどころに苺の刺繍がほどこしてある。綾乃は先程朝食を食べたばかりだが、食べたりない様子でメイドにお菓子をねだっていた。

 「ねぇ、なんか甘いものはない?」

 メイドは困った様子で「あと少しでお昼になります。」等と言ってみたが綾乃には通用せずに「お昼はお昼でたべるから、何か甘いものちょうだい。」と催促されてしまった。

 料理長はメイドから甘いものをお嬢様に催促されたことを伝えられると、眉間にシワを寄せてため息をつき、結局クラッカーとクラッカーの間にゼロカロリーのジャムを塗り、アールグレイをティーポットに入れてお湯を注ぐとメイドにおぼんごと手渡した。

 綾乃は、クラッカーを手にとると大きな口であんぐりと一口で食べ終わる。すぐに次のクラッカーを手にしてまたパクりと食べてしまう。あっという間に10個あったクラッカーのジャムサンドはなくなってしまう。

 こんな調子なので綾乃の体重は右肩上がりになってしまうのだった。

 

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