第12話 きたよー

ドカーン!


ついに、俺の屋敷の食堂の壁に砲弾が直撃して壁に穴開いた。んで、モクモクとケムリ出てる。俺、ビビって吐いちまったよ。哺乳瓶を。ついでに口からブーってコーヒーも吐いたけど、それは全部、下僕がキャッチしたから大丈夫。こいつ、元々、魔法使いだから。なんか、魔法を使ったっぽい。俺の吐いたコーヒーは哺乳瓶の中に戻り、下僕の手元に回収されている。で、こっち見てニッコリしてる。スゲーよ、下僕。さすがイケメンだ。

 哺乳瓶といえば、ドラゴンベイビーに哺乳瓶でスライム飲ましているんだけど、これも大丈夫。俺が両腕でガッチリホールドしてるから、こぼさずにベイビーは今でもチュパチュパ飲んでいる。

 大丈夫じゃないのはギリンジさん。砲弾が直撃して、さらに、衝撃で落ちてきたシャンデリアの下敷きになっている。

 被害状況は大体こんな感じなんだけど、その加害者が食堂に入ってきた。大砲を肩に担いだワイルドな男だ。


「勇者キヨヒコってどいつだ?」


「俺が勇者だけと、今、赤ちゃんの世話してるから、後にしてくんない?」


ジョージは俺の方を向いた。砲身を俺に向けてんだよ。危なくない?


「いやぁ、手間取らせない、簡単な話だから聞きな。俺は立ち退かせ屋のジョージ。お前ら全員この屋敷から立ち退け!」


「は?」


「ここに住むな、ってことだ。」


「待て待て。ジョージさん。お前、無茶苦茶だな。人類の為に戦う勇者にケンカ売るのか?お前、人類だろ?」


「悪く思うな。これも仕事だからな。俺はこれから屋敷をぶち壊す。お前らサッサと消えな。」


と言いながら、天井に向けて大砲を発射した。


ドカーン!


屋根に穴開いた。破片とか、ズサーって落ちて、ギリンジさんが埋まっちゃたよ。ヤバいな。大丈夫だろうか?ほんと、心配。ジョージ、生きて帰れるかな?ギリンジさんにケンカ売るなんて……ガチでハンパない三階の、地獄の住民だぞ、ギリンジさんは!

 床に積もったガレキが放電してる。ギリンジさんの仕業だ。モクモクしてきた。ケムリが凄い。キレてるね。

 でも、ギリンジさんが戦ってくれそうで、まぁ、助かったよ。ベイビーのお世話しながらのバトルは大変だからな。ほんと、助かる。おっ?ケムリの中からギリンジさん出てきた。


「我がコーヒータイムを妨げたのは、立ち退かせ屋ジョージ、お主か?」


「ん?あんた誰?」


「我が名はギリンジ。お主の願いを申せ。」


「はぁ?願い?まぁ、サッサと立退いてくれ。」


「その願い、魂を差し出す程のものか?」


ジョージは頭をボリボリ書きながら


「願いというより、仕事だからな。悪く思うなよ!」


ドカーン!


ジョージはギリンジさんめがけて大砲を撃ち込んだ。でも、ギリンジさんが放電して、電磁波とか何かの物理的な力で砲弾がカーブした。そして、ブーメランのようにジョージの方に飛んでって


ドカーン!


一撃で終了。勝者ギリンジさん。まあ、当然か。





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