第5話 徹夜したいの?

パリーン


ツボの破片にギリンジさんが放った弱い電撃がヒットして割れた。その時、俺の腕もピクッとなり、俺は


グワッー


と叫んだ。痛いけど吹っ飛ばない程度の弱攻撃。これなら部屋が散らからないと思ってるのか?ったく。


「こ…こんな弱い電撃で、俺を倒せると思ってるのか?もっと強烈にビリつかせてみろよ!」


俺のヤセ我慢に、ギリンジさんが答えた。


「愚かな勇者よ。永遠の苦しみを味わうがよい!」


と言いながら、また弱攻撃。それが俺にヒットして


グワッー


って叫んじまったよ。


「お主を倒す事など造作もないこと。だが、簡単に楽にさせてやらんぞ。ワシに歯向かった罰と思え」


弱攻撃を何度も繰り返すギリンジさん。その攻撃、全部俺にヒットした。弱攻撃とはいえ何度も何度も喰らうと、さすがに頭がボーッとしてくる。正直、もう、動けない。俺は床にぶっ倒れた。そのときに、偶然、赤ちゃんがスヤスヤ眠っている姿が視界に入った。


「ベイビー……」


遠のく意識の中、俺は安堵した。


おやすみベイビー……お父さんも疲れたから眠るよ…… 

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