第4話 協力してよ

ハアハアハア


いきなり、ギリンジさん、電撃仕掛けてきたよ。俺、しびれで、鍵盤バーンって叩いちゃって、何か、スゲー不協和音奏でちまった。ベイビーが眠そうな目をしてこっち見てるよ。


「いきなりは、止めてくれません?赤ちゃん寝かしつけ中だから、静かにバトルしたいんで、ウワッ!」


また、電撃してきたよ。とっさに伏せて何とか交わしたけどさ、パイプオルガンが電撃喰らって、


ヴァーーーー


って音鳴ってるよ。これじゃあ、ベイビー寝れねえよ。しょうがねえ。突撃するか。

 俺はこぶしを握りしめ、ギリンジさんに向かって走りよったが、その瞬間、電撃でビリビリビリされて、吹き飛ばされた。


「もう終わりか?」


ギリンジさんが長靴一つ分、空中に浮きながら、近づいてきた。


「終わらねえよ。夜はまだ長いからな」


って言い返したら


ビリビリビリ ドサーん


ってなったよ。ギリンジさんの電撃攻撃が、俺に直撃してんの。んで、吹き飛ばされた。

ってこと。


けど、俺負けてられねえから。根性で立ち上がったよ。で、バトル再開。俺の突撃をギリンジさんが電撃で撃退、て感じのを3回位繰り返したよ。電撃喰らうごとに吹き飛ばされて、部屋の中の高そうな絵画とかツボにぶつかって身体がイテえ。ツボとか割れて、破片が飛び散って、身体に降り注いだりしたんだぜ。


で、ここらへんで悟るよな。これじゃ勝てないと。まあ、素手という段階で勝てるわけ無いってのは、はじめから分かってた。でも大丈夫。目標は引き分けだからな。俺は、やせ我慢をし、ニヤリと笑みを浮かべて、


「も…もう、やめねえか……ギリンジさん。これ以上続けたら、アンタの部屋、こんな感じにぶち壊れるぜ」


と言いながら、身体に刺さったツボの破片をつまみ上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る