第2話 厄介だな、こりゃ

ゴゴゴゴゴ!


 天井に穴が空いてケムリが吹き出してきた。うちの子の体当たりってこんなに強かったのか。スゲーな。さすがドラゴンベイビー。こんな強え赤ちゃん、そうそういないだろ。自慢の子です。

 って言ってる場合じゃないな。ケムリの中からモンスターが出てきたよ。大きさは人間大だけど、頭に角生えて、そこから電気がビリビリと放電してやがる。なんか、キレてる鬼、って感じだな。とりあえず謝っておくか。


「すみませーん。ちょっとぶつかっちゃいました〜」


「我が眠りを覚ましたのはお主か?」


「あっ、寝てましたか?申し訳ないっす。うちの赤ちゃんが床、ぶち抜いちゃったっぽいけど、怪我とかないっすか?」


ピカ!!!


目が光った。まぶしー。


「そなたの願い、申すが良い」


「え?願い叶えてくれる系の神様?じゃあ、今回の天井をドンってしちゃったの許してくれる?」


「どんな願いも一つだけ叶えてやろう。ただし、その代償として、お主の魂を頂く。天井ドンを許すのがお主の願いか?」


「魂差し出せ系の悪魔さんでしたか。すんません。でも、天井ドンの代償が魂?って高すぎっすよ。天井の穴というか、そっちから見ると床の穴を、修理するんで、カンベンしてもらえませんか?」


「穴を修理するのがお主の願いか?その願いは魂を差し出すほどのものか?」


「魂差し出せって言われても、ちょっと無理なんすよ。子育てに魂入れ込んでるんで。あと、バトルもしたくないから、修理するんで示談でよろしく。」


「示談がお主の願いか?その願いは……」


「願いは無し!俺の魂はベイビーのもの」


「願いは無いと申すか。それもよかろう。ならば、我が眠りを覚ました代償として、我が希望を叶えてもらおうか」


「希望ってなんすか?」


「お主の魂だ」


示談は無理か。しょうがない。バトルするかー







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