寝ないと困るドラゴンベイビー

@kumonoshu

ここからはじまるよ

第1話:寝てくれよ、たのむから

 ここは異世界。人類もモンスターも世界の中心にある巨大な塔、通称ダンジョンに住んでいる。ダンジョンの一階には森や草原があり、その中に中世ヨーロッパ風の町や村が点在していて、天井は高く青色に塗られ、雲も浮かんでいる。一見すると、建物の内側とは気が付かない程の大きさだ。

 二階より上はモンスターが住む世界だが、モンスター退治を生業としている勇者等も住んでおり、まあ、戦場だ。戦場であろうが、なんであろうが、そこに生活しているものがおり、そんな俺も二階の住人だ。自己紹介するぞ。俺はダンジョンで子育てをする勇者、エドワード・キヨスケ。俺の住まいはかなりデカい家だ。子どもがいるからな。俺とドラゴンの間に生まれた赤ちゃん。ドラゴンベイビーだ。

 こいつが、まあ、寝てくれないんだよ。夜なのに。寝ない。ほんと、参っちゃうよ。寝ないで吠えると、一階の住人、つまり人間どもが文句言ってくるの。でもさー。わざとじゃないんだよ。なんとか、寝かせつけたいんだけど、抱っこするには大きすぎるんだよ。赤ちゃんなのに、俺よりもでかい。つーか。俺が乗れるレベル。俺が乗っかって空飛べる。赤ちゃんでもドラゴンだからな。だから、寝ないときはもう、空飛ぶの。飛びまくる。そうやって疲れさせると寝てくれるの。ほんと、大変だよ。子育ては。


 で、こないだも寝ないから、空飛んでいたんだけどさ、間違って二階の天井にぶつかっちゃったのよ。正直、やばいよ。


「二階の天井にぶつかる」=「三階の皆さんにこんにちは~って挨拶しちゃった」


ってことよ。そりゃ、ヤバい。何が起こるか分からない。

 一階の住民は正直どうでもいい。ただの人間。勇者である俺から見れば、まあ、雑魚だから。でも、三階はヤバい。ヤバいモンスターがウヨウヨしてる。

一階:雑魚

二階:戦場

三階:地獄

って、思ってもらえばよい。何が起こるか分からない。勇者の俺でもビビるレベル。どうすりゃいいのさ?って思ってたら、出てきたよ。三階のモンスター様が!


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