第10話 『クリスって成長してるよなって話』

俺は半ば強制的にクリスの手を握ったままで庭園の中を歩いていると

突然にクリスが噴水の方を見て

「フンスイ・ノ・ミズ・ナイ・・サビシイ」

と言って俺を下から上目つかいにお願いモード?

それとも単に見た感想?


「入れ物だけ作った感じだからな!小さな所は此れから作っていかなきゃな」

とクリスに言って、俺を見上げるように腰を折って俺の顔を覗き込むクリスの頭を無


意識に撫でていた。


そんなクリスはというと、目を細めて嬉しそうに微笑んでくる

『可愛さマジ半端ねえ~~!!』

容姿はクリスティーナそのものだからな!!当然と言えば当然・・か・・


こんな表情されると、此処に居るのがクリスティーナdとさえ勘違いしてしまいそう


になる!!


俺は、空っぽの噴水の水を一杯にし満たし、アダ・ツィガンリヤの噴水のように色と


りどりの水が吹き上がる

そしてクリスタルな音が鳴り響くたび、色とりどりの音符が噴水の水の中から生まれ


でて虚空に舞い上りながら音符は虚空に徐々に溶けてゆく


「スゴク・キレイ・」


そう言いながら瞳をキラキラと輝かせ噴水ののそんな光景を見ながら、俺の体の腕を


抱き締め俺の肩に頭を擡げてくるクリス・・・


クリスは何時までもカラフルに水を吹き上げながら色とりどりの音符を生み出し続け


る噴水に夢中で口を半開きにしたまま見入ってしまっている。


もう・・

もうこんなふうに1時間以上も噴水を眺め続けている・・

タダ・・


俺はもう限界に近い!!

噴水から湧き上がる色取り取りの音符が空中にふわふわと舞い上がりスーッっと消え


てゆく度に


「あっ・・」


「あっ・・」


っと小さな声を上げながらクリスが包み込んだ俺の腕に


『ぎゅっ』


『ぎゅっ』


『ぎゅっ』


『ぎゅっ』


っとクリスの柔らかな胸を押し付けてくるんだ!!

そんな事された俺は・・その柔らかなクリスの胸の感覚に俺のピーは爆発寸前なのだ


!!

『クリス~~くりくりするのやめてぇ~~~~~~~』


俺は正直叫びたい!!


噴水の中から飛び出す色取り取りの音符を無邪気に追っている

『あんなに無表情だったクリスがね~こんな表情するなんて信じられないな・・・』



クリスティーナを俺が創造出来たと思ったら、心の無い入れ物だけの人形だった事が解って俺が壊れてしまった後も、2年半の間人形のままだったハズなのに!!


クリスとして自我ができてからまだ102日のハズ!!

そういや・・


クリスが丘の上の西洋風あずまやでうたたねする前やけに元気に話してたよな

『あの時は、俺もまるでクリスティーナと話してたような気分になっちまった』


その後、そう起きてからクリス少しだけ人間ぽくなった?


『人間的に成長してる・・・のかな?』


こんな楽しそうな表情してると・・・

クリスティーナと居る気持ちになっちまう・・


良いのか?俺?

『クリスとクリスティーナは別人!!』

なのに・・


なのに・・


なのに・・


段々とクリスに惹かれてしまってる俺・・

でも・・


でも・・


でも・・


でも・・


俺が突き飛ばしたあの時の大きな薄青の瞳に涙を一杯に貯めたクリスティーナの顔を思い出すたび胸が苦しくなる!!


俺は・・・


どうすれば良い・・



つづく・・・

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