第6話 『死んでからの経過時間』
クリスの笑顔に不覚にも
『ドキッ』
っとしてしまって、自分でも驚いている
入れ物だけなのに・・
本物のクリスティーナじゃない!!
それは俺の左小指が知っている
『クリスはクリスティーナじゃない!!』
そう心が言っている・・・
でもこの俺の心のざわつきは何故だ!!
クリスの容姿は制服姿のクリスティーナそのもの!!
容姿だけならば、完全にクリスティーナと同一体
違いは心だけ
最初は心の無いタダの入れ物のはず・・だったのに・・
俺がクリスに抱き締められて気が付いた時・・
クリスの自我が芽生えていた!!
あんな風に喋られると・・
俺の心は揺れ動いてしまっている
『お姫様抱っこしたこのクリスでも良いんじゃないかと・・』
クリスは
『時が満ちれば、全ては導かれる』
そう・・言った!!
『自分を信じて』
とも・・・
兎に角今は、この世界で何が出来て、何が出来ないのかそれを検証してゆくしかないか・・
クリスはこの世界でクリスとして覚醒して2448時間が経ったといったな・・
正確な時間をクリスは把握出来ていた!!
もしかしたら?
この世界が出来た時間を知る道具を作れるんじゃないか?
ダメ元でやってみるか!!
俺は頭の中で
『此処に来た経過時間を知る機械が欲しい』
そう念じた。
だって
言葉にして言うのはクリスがいるからこっぱずかしいじゃん!!
ぜって~~言えねえ~!!
『中二病丸出しの詠唱何てぜって~~無理!!』
瞬間俺の手に表示板が出現
表示板には
現在日付 2022年7月18日
と表示されている。
青山高校の入学式が
2019年4月8日月曜日
クリスが才覚してから2448時間102日が立っている
という事は俺は半年ほど真っ暗な空間に居たわけだから約2年半壊れたままだったって事か・・
情ねえ~~
そうすると・・
『クリスも自我が芽生えるまでに2年半かかったって事か』
クリスは2年半もの間自我が無いにも関わらず無意識で俺をだきしめてくれてたんだ・・
そう思うと
「ありがとうなクリス」
とクリスを見つめながらお礼を言っていた。
「ん」
お姫様抱っこされたクリスはそんな俺にゆっくりと笑顔で頷いてくれる。
つづく・・・
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