第4話 『心の無い入れ物と壊れた俺』
微睡むような・・
心地いい~
暖かい・・
何かに包まれてふわふわと空中に浮いているような心地よさ
『此処は天国・・・なのか?やっと俺も天国とやらに招かれたの・・かな?』
ラノベなんかじゃ、神様が現れて色んな能力を与えて異世界に生まれ変わらせてくれる?なんてシチュエーションだったような・・
俺も・・
異世界とかに転生させてもらえるのかな?
魔法とかが使える世界で魔王と戦うとか・・
でもこの誰かに抱き締められる感覚は?
柔らかくって・・優しい・・感じ・・
いや!!
此れは確かに抱き締められている!!
此れは天国なんかじゃないな!!
『俺は確実に誰かに抱き締められている!!』
体に感じる柔らかな感覚に思考がゆっくりと才覚してゆく
あやふやだった思考が鮮明になってゆく
俺はゆっくりと目を開けると・・
俺の置かれている状況に一瞬混乱!!
・・・・
・・・・
俺は!!
金色の髪をした少女に抱き締められて頭を・・・
ゆっくりと撫でられていた・・・
そりゃ~混乱するさ!!
だって!!
俺を今抱き締めている女の子は
『心の無い入れ物だけの人形だったハズ』
その人形?に今俺は抱き締められて・・
頭を撫でられてハグされて・・いる!!
心が無かったハズなんじゃ?
そんな事を思いながら彼女の薄青色の瞳を見つめていると
「ダ・・・イ・・・ジョ・・・ウ・・ブ?」
と俺に心配そうな表情?で聞いてくる。
「へっ?」
俺はクリスティーナの体をした心のないはずの人形のハズの彼女に声をかけられて素
っ頓狂な声を上げてしまってた俺
まさか、カタコトとはいえ、彼女が喋るとは思わなかった!!
そんな固まってしまった俺に彼女は
再度
「ダ・・・イ・・・ジョ・・・ウ・・ブ?」
と聞いてくれる。
「ああ~大丈夫だ。君はずっと俺をこうして抱きしめていてくれたんだ。ありがとう」
「キ・ガ・ツイタラ・・アナタガ・・ワタシヲ・・ダキシメテ・イ・・タ」
「デモ・・ワタシヲ・・ダキシメテ・イ・タ・アナタ・ハ・・コワレテ・・イ・テ・イママデ・ウゴカナ・カッタ・」
「俺はクリスティーナが居ない悲しみで壊れてしまってたのか・・君が気がついてどの位経っている?」
「ワタシノ・・イシキガ・・カクセイシテカラ2448ジカンタッテイル」
「う・・2448時間・・時間で言われてもな~一日が24時間とすると・・・102日?ってところか・・・3ヶ月以上もこうやって抱き締めてくれてたんだ」
「コウヤッテダキシメテイルト・・ナンダカ・・ナツカシイ・・キモチガ・・ワキアガッテクル・・・ノ・・」
「へ?」
づづく・・・
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