第3話 『キャラクターの育て方』
-なろう版あらすじ、まえがき-
かんたんなキャラの作り方
--
今更語るまでもない話とはおもいましたが、
一言で、すますなら、「ガラスの仮面」を見てください。
あれは教本です。
-本文-
おそらく、誰でもがやっていることだと思います。
人格、アバター、ペルソナ、回路、
そういうものをキャラという枠に込めるだけ。
それに背景という状況、情報を与えてやれば動く。
言葉で表現すればそれだけです。
難しくはありません。日常、誰もがやっている行為の延長です。
相手を意識して話すということ。
その延長でしかありません。
朝起きて、
家族がおはようと言ってきたら、
1.おはようと答える
2.黙っている
3.いきなり殴りかかる
それに、なぜそうしたのかの理由づけを考える。
例えば2.で、
2a.具合が悪いから
2b.テストの結果が悪く不機嫌
2c.不機嫌なのは彼女に振られたから
そしてその後のこと。
返事のなかった家族はどう対応するのか?
怒るのか、心配して言葉をかけるのか、答えてくれるまで見守って待つのか。
ここに理由づけを繰り返していけばお話は転がります。が、この部分はストーリーも含むのでちょっと違いますから、話を戻します。
起きた物事に対する理由づけは常につきまといます。
たまたま、偶然、それも理由ですが、もっと深く突き詰めてゆく。
昨日あった出来事。
一年前に起きた事件。
生まれたときから、あるいは生まれる以前からの場合だってある。
そういう理由づけが積み重なった結果としてキャラが動き、今日の出来事がおきることもあると思います。
理由づけはキャラとしての性格、嗜好から入ってもいいです。
A.猫が好き。なぜ好きかは自分に似てるから。
B.猫が嫌い。昔引っかかれたり噛まれたりしたから。今も傷跡が残っているし。
キャラに対して、そういう理由づけを繰り返しているうちに、
そのキャラを動かす回路が自然にできてゆきます。
何かを育てる感覚でしょうか。
そのキャラをお話に配置すると、ストーリーで自由に動くわけです。
けれども、なかなかそうはなりません、残念ながら。
天才の作ったものならそうなるのかもしれませんが、まあ自分など凡人が作ったものは程度が知れる。そんなところでしょうか(笑)
ただ、お話をよく観察していたり、キャラのセリフやその心の動きに耳を澄ましていると、
キャラ自身がやりたくないこと、言いたくないことで、
お話が止まったり、がたつくことがあるんです。
自分(作者自身)がやりたくない場合もあるので、そこはフィルターをかけて切り分ける必要があります。
それで
自分がやりたいはずなのに、どうにも違和感が起きる動きやセリフがあったりする。
そういうところで少し
これを
自分の場合、キャラが動くとか囁くみたいに解釈したりしてます(苦笑)
実際、動きかたや頻度はキャラのタイプ(性格定義、プロフィールの詰め込み方、日常からの積み上げなど)によって千差万別ですね(笑)
普段から暴走ぎみに(勝手に)動くのもいれば、
納得していないけれども、お話の流れに従って動いている(キャラとして勝手には動かない)やつもいる。
そう感じるしかない、しゃべりや動きをするキャラが出来たりするので、
キャラが動く、なんて言っています(笑)
自分の想定外の動きは、面倒だけれど本当に書いていて面白い。
自分はそんな印象を持ちながらお話を書いています(笑)
自分はTRPGの経験から、その辺り、キャラにいろいろ込めたりするのが多少習い性になってるので、そんな感じで育ててますね。
TRPGを楽しまれた人とか、演劇のエチュードとかを経験、やった方なら、なんとなく伝わるのではないでしょうか?
まあ、一番大事なのは普段からキャラを構ってやること。
無理に引っ張り出さなくても、
飯を食っている時にそいつならどう食べるか?
あのヒロインなら自分の食べ方に眉をひそめるか?
自分がぐでっと椅子に腰掛けている時に、あいつはきちんと椅子に座るだろうとか、
あの主人公なら椅子でなくテーブルだとか(笑)
自分の生活の中で、ちょっとキャラを思い出してやればいい、
その繰り返しだけです。
もしキャラに何もしないでお話が完結して、そのキャラは使わなくなる。
そうすると、大方のキャラは消えてしまいます。
忘れたり、無意識に必要だと感じていたキャラの特徴や性格などは、自身へ吸収、統合されて自分の精神の一部になったりするみたいです。
↑もし消えないなら、そのキャラはちゃんと育ってます。と思います。
まあ自分にも、
消えない、そういう時の流れに抗するキャラがいて、TRPGのシナリオで使ったキャラ達、
自分自身がプレイした
その一部は、30年近く(キャラによっては30年以上)経った今でも、
最近いろいろ書きはじめるまで、ほったらかしのままでいたにも関わらず、
キャラシートもシナリオも能力値すら残っておらず、イラストが1、2枚残っているだけだったり、名前しか記憶の中に残っていない状態だったりしたとしても、
そういうキャラは引っ張りだして背景を提供するとしゃべりだしたり、笑ったり、お互いにケンカしたりします(笑)
それくらい、当時大事にしていたんでしょうね(苦笑)
キャラに魂を込める。
人によってやり方は違うと思いますが、自分の場合はそんな感じです。
もうひとつ違ったやり方がありますが、
まあ、それは別の機会に(笑)
生き延びたTRPGのキャラ達との付き合いは、おそらく自分が死ぬまで続くでしょう。
そして願わくば、今書いているお話のキャラも、そうならんことを。
-カクヨム版あとがき-
感情をあまり込めていない文章ですね。
書きたいこと。キャラクターについてという、キャラが生きているということを信じる自分としては熱く書いていません。
いま書けば、おそらくもっと熱を込めた文章になるのではと思います(笑)
この文章を淡々と書きながら、
自分は裏で、第2話のときに書いた、なろうを退会された彼のことを考えて、気持ちの整理をつけようとしていました。
一年後のいま文章を読みなおすと、心ここにあらずという印象を感じます(苦笑)
これを書く数日前に、ここの第2話で書いたお話の方、彼からお別れの挨拶をいただいたのですね。
そして、この文章を投稿した数日後に、詩で書いた「ありがとう -いまはもういないあなたへ-」や、「くも -のこるもの-」のあとがきで書いた交流相手の方、数ヶ月間、音沙汰のなかった彼女から、最期の言葉を受け取ったのでした。
いや、…きつかった。他に言葉がないです。
この文章を書いているときはまあ、気持ちを誤魔化して書いてますけど、
このあとの、メッセージをもらってから数話のエッセイや物語は、まあガタガタでしたね。
変に気持ちを込めすぎている割合に、書いている内容がコメディ?だったり、ヘンテコ理論だったり(苦笑)
そのくせ、時折顔を出す感傷的な言葉が、妙に胸を抉り、突き刺すように感じ取れたり。狂気ではありませんが、錯乱気味ではあったようですね(苦笑)
彼女がもう書く事ができないなら、自分はなんとしても書いて進むしかない。そんな意識で、書けない精神状態で形にならないものを無理に積み上げていたことを思い出します。
傲慢ですね(苦笑)、楽しく書けばいい。彼女への恩返しにはそうするのがいいという想いへと至ったのはしばらく後のことです。
その後、
他の交流相手の方と話した『言語外のメッセージ』の話などから、文章の外ににじみ出る作者の感情ということを考えるようになった今、
あの頃どうしようもなく不恰好な文章らが、不恰好さ以上に、込めてしまっていた感情へとつながる外部記憶のようになっていることに気づきます。
出来が悪い文章は直したいんですが、直したら記憶へとつながる道が途切れる気がして、そのまま残しているんですね。
書いていることと、言いたい気持ちは別なことがある。まあ、これはそういったお話です。
世に出た作品に込められた感情や記憶も、かいてあることと違うものが込められている事がある。作家たちはそうやって作品たちを作り上げているのですね。
自分にとって、これはそういったことを思い出させてくれるツールでもあるのですね(笑)
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