第5話 屍体のような

屍体のような

あなたの体躯の傍らに

屍体のように

横たわる


あなたの肢体は動かない

あなたの寝息も聞こえない


あなたの胸郭は

僅かに上下し

呼吸している


わたしはいつか

あなたの肢体の傍らで

屍体になって

横たわる


わたしの心は痛いだろうか

少しは悲しいだろうか

少しは悲しんでくれる?


うんと遠くへ行きたいのに

この肢体が足手まといだ

でも変ね

肢体がないと遠くへ行けない


わたしが灰になったとき

心だけは戻ってきます

そうあなたに告げて

横たわる

屍体のような

あなたの体躯の傍らに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る