32,作品の方向性
「ふほ~お、いい感じに育ってますなぁ」
少しずつ春の気配を感じるようになってきた2月上旬の昼休み、職場の事務所棟前にある花壇で、社員が育てている菜の花がいい感じに育っている。
菜の花を収穫したら次はジャガイモを植えるのが通例。
芽を取らないでポテサラにして、アイツとアイツとアイツに食べさせようかな。
何人かの顔が浮かんだ。
しゃがんで純真無垢な菜の花を眺めながら朝の出勤途中、駅のコンビニで買ったおにぎりをもぐもぐ。梅と鮭とオムライスおむすび。うまうま。
食べ終わったら応接室の四人テーブルに突っ伏して昼寝、チャイムが鳴ったら事務室に戻ってエクセル作業、キーワードを押さえたり叩いたり。shift →↓ ctrl c ctrl v alt 2。
「ふひ~」
もう限界だ。帰ろう。
17時5分、終業チャイムが鳴り、ほかの人がまだまだパソコンや電話応対をしている中、定時で上がる平社員、森崎夢叶。
あ~、きょうもいっぱい働いた(白目)。
しかし夜からが忙しい5時から女の森崎夢叶。飲み会じゃなくて執筆で。
家の近所のコンビニに寄って19時に帰宅。家にはわたしとポチしかいないので、夕飯はコンビニで買った千切りキャベツと、10個くらい買い溜めしてあるニチアサアニメのレトルトカレーを一つ開封、デザートは近所のアイスクリームショップで売っているストロベリーアイスクリームの持ち帰り用カップタイプ。そして食後のミルクコーヒー。懸賞で当たった、インスタントコーヒーを美味しく淹れるバリスタマシーンを使用。きょうはホットで、糖分補給は十分なので砂糖は入れない。
これが大人の嗜みというものですな。苦しゅうない、苦しゅうないぞ。
「ふーう、ごちそうさまでした」
さて、入浴を済ませてここからが本番。なんだかんだで21時を過ぎてしまった。
自室の座卓が定位置になりつつあるノートパソコンを開いて『Five Lives!』の執筆開始。ベッドではポチが丸まって眠っている。
このポチというネコ、キーボードに乗って作業妨害などをしない優秀なネコ。
むふー、ぐふー、むふー、んっふふふー。
いびきはけっこうな音だけど気にならない。
週末はマリンビュー文庫の雲雀沢さんと打ち合わせがある。そこで作品の方向性等を話し合う。きょうはこれから打ち合わせに向け、いくつかのプロットをさらっと書き、本稿は雲雀沢さんとの話し合いで決定したものに沿って書き上げてゆく。普通車にするかグリーン車にするか、スイカにするかメロンにするか、そんなふうに格式や風味の異なるパターンを用意する。
え、まだそんな段階なのかって?
はい、まだそんな段階です。
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