六
「七十五番でお待ちの方、診察室へどうぞー」
こんな大きな病院に来たのは、小さい頃おばあちゃんのお見舞いに来た時以来だ。
結局、東屋という男が来た後、私は両親に全てを話した。当然、今まで黙っていたことを叱られた。だけど、私に治療を受けさせるくらいの蓄えはあると、そう言って私を送り出してくれた。
ただ、あの男に感じた怪しさは拭えていない。ちゃんと西村先生に話が行けばいいんだけど……
そんなことを考えていると、向こうから一人の看護師が歩いてくるのが見えた。真っ直ぐ私に向かってくる。看護師は私の側で立ち止まると、ゆっくりと口を開いた。
「芽ヶ沢様、今西村先生に確認が取れましたので、こちらの番号でお待ちください」
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