眼鏡の傷

ダレカ=サン

その傷のように淡い夢物語

※注意 これは私が見た夢です。「何処に恋愛要素があるんだよ。」と思われるかも知れませんが、緊張症の私にはこんな果てしなく些細な出来事にもドキドキとしてしまうのでございます。

 私はクラスでも目立つ事の無い平々凡々な生徒の一人だ。

 今日はクリスマスということでプレゼントをあげよう、といっても、自分がもう読まなくなった本をプレゼントするという学校の企画だ。先生の合図で企画が始まり、どんどん本が交換されていく中、特に本を読まない私の机にはただ無かった本が次々と溜まるばかりだった。

男女関係無くその一方通行が成されていると、隣の異性の生徒(私が実際に現実の小学校時代の同級生)は、本に置いていた眼鏡まで渡してきた。なんとなく自分のものを外し、眼鏡を掛けてみた。(私はずっと眼鏡を掛けて1日を過ごす人間だが、隣の生徒は黒板を見る時や本を読む時だけ掛けるようだった。)うっすらとした非常に弱い度のレンズと対照的に肉厚なフレームで、どこか落ち着くような気がする。

 すると、「ああ、ごめんね。その眼鏡傷入ってるでしょ。もう使えないからこっちで処分するね。」申し訳ないのはこちらの方だ。「こっちこそごめん。」確かにレンズに傷が入っていたが、余りに些細なものだった。

 無意識的に手が触れないように、隣に眼鏡を渡し、鞄に仕舞われるそれを私は見る事が出来なかった。

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眼鏡の傷 ダレカ=サン @Dareka_San

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