第6話 『攻撃の始まり』

 『まあ、そんなこと言ったら、やましんさんが、ほら、泣きそうですよ。にゃんこ。』


 ママがたしなめた。


 やましんさんは、何も語らなかった。


 となりには、ゴキ大将を含む、ゴキの集合体が、人間の擬態を形作っている。


 多少は、気になるけれど、危険性はないようだ。


 『だいたい、人間どもが、争いをやめないから、こうなるんだ。』


 カージンゴが、さらに、悪態をついた。


 『それに、俺は、権力側だ。きらまらは、いくらか、反対派だ。まあ、ママの顔でもってんだけどな。』


 カージンゴは、少しだけ押さえた言い方をした。


 この場では、いくらか、不利だからである。



『はて、ねこママは、なにものなのだろう?』


 やましんさんは、いぶかった。



 そのときである。


 玄関が開いた。


 見慣れぬ客が、ふいにあらわれたのであった。


 『なんだ、ここは?』


 『教授、おあ、なんと、にゃんこがいる。カラスがいますし、あれは、はとです。おぎょわー❗に、人間がいる‼️生きた人間ですよ。なんてことだ。絶滅した人類ではないですか。これは、夢か、まぼろしか。』


 しかし、驚いたのは、やましんさんも、同じであった。


 なんと、人間大の、ゴキが現れたのである。


 まさに、夢かまぼろしか。


 であった。


 へびさんと、Gさんは、人類の潜在意識において、たいへん、恐怖と、嫌悪感をもたらしやすい。


 さすがに、やましんさんも、テーブルを強く握りしめたのである。


 となりの、ごきのかたまりも、やや、ざわついた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            つづく 😸


 

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