ファンタジーながら現の等身大の人情があちこちに散りばめられて、伝わる!

豊かな情景描写で、ファンタジーの世界なのに、散歩でもしながらすんなりと入ってしまう感あり。そして、そこにいたのは現実の人生を深く考察することもなく、ただありのままに、等身大のままに過ごして、あの世に旅立った人達。でも仰々しい境界など設けぬまま、自分で命を断った人間にさえも、出会いや惑いや気づきを与えているのが、さりげなくて、優しくて、素晴らしい。だれとて悪夢から目を覚まして、魂を輝かせるチャンスがあることがじんわり伝わりました。