あの世にて
8
僕は恐る恐る目を開けた。同じ光景が広がっていた。僕は失望した。あの世へ行くことは不可能だったのか。僕は楓の体に目を向けた。そして目を見開いた。楓から血が一滴も流れていないのだ。さらに楓はスヤスヤと気持ちよさそうに目を瞑っている。僕は慌てて、周囲を見渡した。やはり楓の高校の中にいる。下駄箱から校門までの一本道に楓は落とされたのだ。ここで間違いない。だが、違うポイントがあった。まず空が空っぽくない。正確に言えば、空色の天井のように見える。その上雲や太陽はないが、昼時くらい明るい。それにぽかぽかと暖かいのだ。気温が急に変わることはない。僕は確信した。ここがあの世だ。僕は楓の手に触れた。初めて触れることができた。死人とは思えない人間味のある手だ。
「楓!楓!」僕は楓の体を揺すった。すると、楓の目蓋がピクリと動いた。そして楓は目を擦りながら起き上がった。僕は涙が溢れそうになったが堪えた。
「私、どうなちゃったの?」
「君は死んだんだよ」
「ならここは天国?」
「恐らくそうだ」
「なんであっくんまでいるの?」
「君を現世に連れ戻すためだ」
「でもそんなこと……」
「やってみなきゃわからない」
「何か手立てはあるの?」
「今はない」
「じゃあどうすれば……」
「とりあえずこっちの人に聞くしかない。ここが天国ならきっと他にもいるはずだよ」
僕は楓に手を差し伸べ、2人で立ち上がった。それから手短にこっちに来た方法を教えた。
「そうだったんだ……」
「でもよかった。こっちに一緒に来られるか心配だったからさ」
「あっくんは案外勇敢なんだね」楓はそう言い、僕に向かって微笑んだ。
学校の中には人の気配がなかったので、いつも僕が寝泊まりをする高層マンションに向かうことにした。あそこなら町全体を俯瞰できる。僕は翼を広げ、楓を抱きかかえた。彼女は顔を赤らめた。こういう所を見ると、まだ死んでいないのではと疑いたくなる。
9
飛んでいる間、一切風が吹かないため不思議な感覚であった。
マンションに到着し、楓を下ろした。やはり都市郊外の何の変哲もない風景だ。だが、ここの住人は誰もが恵比須様のような笑みを浮かべ、幸せそうな顔をしていた。仕事に追われ、目の下にクマを作ったサラリーマンの姿など微塵も見られない。
「あっあれ見て!」楓が言った。
彼女が指を指した方向を見ると、白い警官服のようなものを着た人間がぞろぞろと歩いている。
「なんだろう?」
「あの人たちに聞けば何かわかるんじゃない?」
「でも死んだ人間を生き返らせるなんてこと許してもらえなさそうだけど」
「それもそうね。じゃあ取り敢えずあの人たちを後ろからつけてみよう」
先の白い集団は道路の真ん中を堂々と歩いていた。電柱や路地裏の陰に隠れつつ様子を伺うと、話し声や笑い声が聞こえる。すれ違う住人たちは彼らを気にも止めていない。白い警官服の男たちと住人とでは、何故か空気感が違うような気がした。前者の方が人間味を感じるのだ。ふと楓の方を見ると、何か気づいたという顔をしていた。
「何かわかった?」
「あの人たちはうちの病院に向かっているんじゃないかな。いつも私が病院に行く道をさっきから辿っているし」
「そうか、なるほど。現世で死んだ場所が天国に反映されている。楓も死んだ場所と目覚めた場所が一致してたでしょ」
「病院で死ぬ人が多いから、こっちに来たばかりの人がたくさんいるってわけね。でも、その人たちをどうするつもりだろう?」
「保護でもするんじゃないの。楓もあのまま眠ってたら連れて行かれてたかも」
「危なかったわね」
僕は陰から彼らを見た。ちょうど道を右に曲がり、姿が見えなくなった。
「病院に先回りしよう」
僕は再度楓を抱きかかえ、飛び立った。
柊病院は真っ白の綺麗な病院だった。こちらには老朽ということ自体ないのかもしれない。
僕たちは自動ドアをこじ開けて中に入った。電気は通っていないらしい。薄暗い待合室が現れた。窓から差す光があれば中を歩けそうだ。
「さてどうやって情報を集める?」
「まずは亡くなった人を探して、その人がどうなるのか見てみようよ。きっと何か手掛かりがあるはず」
僕たちは亡くなってこちらに来たばかりの人を探すため、病室を覗きまわった。さすが院長の娘といったところで、重症患者が多い部屋を楓は把握していた。各階にあるナースステーションの近くの部屋がそうだという。だが、3階まで来ても、まだ一人もいなかった。
「うわっもう来てるよ」楓が窓の奥を指さした。
ちょうど白い警官服の男たちが院内に入るところだった。ざっと10人くらいだ。
「まずいな。先に見つけてこっそり様子を見たいところだけど」
「隠れつつ探すしかないわね」
ここは3階の廊下だ。恐らく彼らは入り口の脇にある階段から昇っていくだろう。なので、僕たちはその階段とは反対側の階段を使って昇りながら、探すということにした。
僅かに明るい階段を素早く昇っていく。雑音が一切ないこの世界だと、足音もよく響く。が、さすがに彼らとの距離を考えると大丈夫なはずだ。
3階と4階の踊り場。突然楓が止まった。彼女は左手を耳に当て、音を探るポーズを取った。僕も倣った。先程僕たちがいた3階の奥の方からドアをガラガラ開ける音が聞こえる。想像以上に早い。いや、早すぎる。さっき入り口から入ったばかりなのにだ。僕は楓に急ごうと口パクで伝えた。
4階へ上り、病室が並ぶ廊下に彼らがいないことを確認した。柊病院のナースステーションは二つの階段の丁度真ん中にある。僕たちはステーションに近い手前側の病室を順に開けていった。居ない。ここにも居ない。
「あっちも見よう」
僕たちはナースステーションを走って通り過ぎようとした。が、次の瞬間、ピンポーンという電子音が鳴り響いた。突然のことに驚く暇もなく、僕たちは形振り構わず走った。目の端で捉えたのはエレベーターから出てくる白い男だった。すると、その男は後ろで「お前たち何者だ」と叫んだ。そして、案の定追いかけてきた。
「どうすんの!」楓が叫んだ。
「僕の後ろにくっついて走って!」
「それで!」
「あそこのデカい窓突き破ってそのまま飛んで逃げる!」
が、しかし、向こうの階段からもう二人が姿を現した。彼らも走ってくる。挟み撃ちだ。ダメだ。終わった。僕たちは減速した。
10
「君たちは何者だ」一人が言った。
「……」
「誰に起こされた?」
「……」
「おい、これまでこんなことあったか?」一人がもう一人の若い男に聞いた。
「知らないっすね。こんなに自由に動ける奴ら、僕たち以外にはいないはずですよ」
「お前たち、事情を聴きたいからちょっと一緒に来い」
「嫌です」僕は俯いて答えた。
「逃げといてそりゃねぇだろ」
僕が動かずにいると、3人目が口を開いた。
「じゃあ俺が聞いときますわ」よく響く優しい声だった。
「大丈夫ですか?逃げられますよ」
「逃げやしないって。ほら、2人は巡回に戻って」
そして、2人は不承不承といった様子で、この場を後にした。僕は一人になった警官に顔を向けた。身長は僕よりやや小さい。が、その人の顔を見て驚いた。
「田中さんですか?」
「え?なんで知っとるの?というか君、俺の隣に寝とった子だろう?」
「はい?」
「だから、君、この病院の205号室に意識不明のまま寝とったじゃないか」
「僕は人の魂を送るのが仕事の悪魔です。多分人違いです」
「そんなわけあるかい。変な翼つけとるだけで顔はそっくりそのままだ。君のお母さんに写真見せてもらったからな」
わけがわからず僕が黙ると、田中さんは「ついてきて」と言って歩き出した。
田中さんが生前いた205号室の中までやって来た。田中さんは自分が寝ていたベッドに腰を掛け、僕たちにもう一つのベッドに座るよう言った。
「ところで、お嬢ちゃんはどうした?」
「私も死んだんです」
「なのになんで二人して動けとるんだ」
「僕が眠っていた彼女を起こしたんです」
「じゃあ君は死んだはずなのにどうやって自分で起きた?現世からこっちに来たら絶対に自力では起きられないはずだ」
僕は詳しい経緯を話した。
「なるほどな。噂は本当だったってわけか」
「噂?」
「楓ちゃんは殺されてしまったわけだが、君は少し違う」
「何が違うんですか?」
「君は自分で自分を殺したんだ」
「自殺……」
「まあ一命は取り留めたみたいだがな」
「ということはあっくんはそれで悪魔になったっていうことですか?」
「ああ。恐らくな。ここ天国にもいろいろあってな。俺らみたいのは末端だが、この世界にも政府は存在する。俺もこの世界の仕組みについてはよくわかってねえが、風の噂でな。死因が自殺の場合のみ、その人間はあっちで使命を負わされるって話だ」
「なら田中さんの隣にいたあの人が……」
「そうだ。君自身だ」
「でも僕の体はまだ死んでいない。なのになぜ?」
「おう。そこが面白い所でな。もし君が自殺で死んでいたらいつまで経ってもその使命を背負わされる。が、自殺を試みるも辛うじて生きている者は一時的に使命を負うって話だ。まあ体験入部ってところだ」
「元の人間に戻れる方法はあるんですか?」
「それには自分の過去を思い出す必要があるらしい」
「僕の過去……」
「それについてなんだがな。君の母親から聞いた話なら俺はできる。それで足りるかはわからねえが」
「お願いします」
僕は母子家庭で育った。いつも学校では本ばかり読んで、かなりおとなしい性格だったそうだ。そしてある日を境に僕は虐められ始めた。そして、自殺。という典型的なパターンを辿ったようだった。なんでも僕はいじめっ子のリーダーに目を付けられて、それからエスカレートしていったようなのだ。僕は反抗できないただの弱虫だったてわけだ。
「大体まとめるとこんなもんだけどよ。君の母親は君のこと誇りに思っているようだった」
「え?」
「君はいじめられっ子を庇ったから目を付けられたそうだ。この子は気弱なんかじゃない。人のことを身をもって守ることのできる優しさと勇敢さを持っている。君のお母さんはいつもそう言ってたよ」
「あっくんは元からそういう人だったんだ」
僕の体の隣に座っていた母の顔を思い出した。深刻そうな顔。たった一人の息子には父親もおらず、見舞いに来てくれる僕の友人もいない。それでも自分だけはとずっと横に居てくれたのだ。
「田中さん。僕、過去をもっと知るためにも必ず現世に戻ります」
「そうか。手立てはあるのか?」
「まだないです」
「じゃあヒントになるかわからないが、生きているということ。これはどういうことかわかるか?」
呼吸。食事。睡眠。いろいろ浮かんだが、首を横に振った。
「それは同時に、こっちの住人に欠けているものでもある。それは恐怖だ」
「恐怖?」
「こっち来たらまず真っ先に役所に連れていかれる。そこで住民登録した時点で初めて死人になる。そして恐怖という感情はなくなる」
「何でですか?」
「そりゃこっちには終わりがないからな。恐怖心が残ったままじゃ気が狂っちまう」
「ということは田中さんにも恐怖は既にない」
「ああ。恐怖がないのが死人だ」
「でも田中さんたちは、町を歩いていた住人と比べて随分人間味があるように見えますけど」
「いや、傍から見ればそうかもしれないが、ここの住人たちはそれぞれの世界を生きているんだ。現世で最も幸せだった日常の一コマを永久にループしている」
「この世界には営業している店も電車もないのにですか」
「あの人たちには彼らなりの環世界を持っている。今はVRといった方が分かりやすいか。彼らの目は現世と変わらない世界を見て、その一コマを追体験している。なんでこんなことが出来るかは知らねえがな。俺の見立てじゃ死人になっても残る想像力の応用じゃないかと思っている。現に電気も通ってないのにエレベーターが使えたのはそういうこった」
「なるほど。でも田中さんたちはなぜそのループに入っていないんでしょうか」
「こっちの行政を担う人ってのは現世に後悔が残っている人に限られる。それが薄れていって初めて正式な住人として認められる。俺の後悔ってのは君に言いたいことを伝える前に死んじまったことなんだけどな」
「そうなんですか。なんかすみません」
「いいんだ。まさか君の方から来てくれるとは思わなかったからな。で、俺の言いたかったことなんだが、さっき生きることには恐怖が伴うって言ったよな」
「はい」
「君は確かに勇敢で優しい心を持っているかもしれない。でも、君は現実の恐怖から逃げた。生に背いたってことだ。わかるか?」
僕は黙って頷いた。
「つまり、恐怖を克服するには恐れないことしかないってことだ」
「そんな簡単に言われても普通できません」
「でもそれしかないんだ。生には恐怖が伴う。恐怖は生の証明になる。でも現実を恐れて避けているだけでは、ただ生きているに過ぎない。何事にも恐れず立ち向かい自分の道を切り開く。それが人生だ」
「僕は人生を歩めていなかった・・・。」
「それでも君はまだ若い。大丈夫だ。ってことで俺の言いたいことは以上。これで俺も晴れてこっちの正式の住人ってわけだ」
田中さんは窓辺まで歩み寄った。
「ちょっと待ってください。どうやったら恐れず生きられるかもっと具体的に」
「それは自分の頭を捻って考えてみな。後、君の名前は
そう言って田中さんはその場から姿を消した。白い光に包まれて一瞬にしていなくなった。
「いなくなっちゃったね」楓が言った。
「うん……これからどうしようか」
「私、気付いたことがあるの」
「帰れる方法?」
楓はかぶりを振った。
「私たちはまだ死んでないってことよ」
「どういうこと?」
「私たちはまだこっちの人間として認められていない。住民登録もしてないし、恐怖だって残っている。だから、私たちは死んでいるようで死んでいない。仮死のような状態なんじゃないかな」
「その証拠としてまだ恐怖が残っている」
「そう。つまり、田中さんが言っていた人生の定義。恐れず立ち向かうっていうのが鍵になるんじゃないかって思ったの」
「ということは僕たちが一番恐怖を感じる場所に行く必要があるってことか」
「うん。学校へ」
僕たちは病室の扉を閉め、外に出た。
「楓は大丈夫なの?」
「怖いよ。でもここで避けたらきっとあっちに戻れない。あっくんだって、学校に行けば記憶を取り戻せるかもしれない。けど私以上の辛い過去を思い出すことになるかもしれない」
「楓の言うとおりだな。もし簡単にあっちへ帰れる方法があったとして、それで帰っても、どうせ同じ過ちを繰り返す。今の自分と何も変わらないままだ」
楓は深く頷いた。
「よし。じゃあ行こうか。後、改めて宜しくね。翔」
僕の頬が火照るのがわかった。
11
春雨女子高校に到着した。校門を潜り、校舎へ入った。人気のない静まり返った学校は異様なほど無機質に思えた。が、階段を上っていく内に数時間前の悪夢が鮮明に思い出された。隣を歩く楓は言葉を発しない。手が小刻みに震えているが、拳を握り、耐えているようだった。休もうと提案するか迷ったが、しなかった。ここで歩みを止めればもう先に進めないと思ったからだ。
屋上。突き破られた緑のフェンスは塞がっていた。楓はそのフェンスの金網に触れた。
「私がここで嘘つきって言われたの覚えてる?」
僕は頷いた。
「この学校、春雨市の中学校で特に優秀な人が集まるような所なんだ。私も中学の頃から親に勉強は絶対に怠るなって言われてたから必死でやってた。それで、結果的に受かったんだけど、いざ入学するとみんなのレベルが高すぎてついてけなかった」
「じゃあなんで嘘つきって……」
「みんなの前で成績をごまかしたの。要は見栄っ張りってこと。私、中学の頃まで勉強しか取り柄がなかったから、その最後の取り柄も無くなって上っ面だけ良くしようと躍起になってた」
「それがバレちゃったの?」
「うん。ある日私の成績表勝手に見られて、今まで友達だと思ってた子の態度が一変して……」
「それ位のことでいじめなんて……」
「ここの子はみんな自意識が高くて、順位や点数が唯一認められるものだからね。自分より点数が高いと言っていた人が本当は自分より低かったら嫌に思うに決まってる。人に馬鹿にされるのが怖いってだけで私は嘘をついた。ここに入ってから私は自分を見失ってた」
人に傷つけられるのが怖くてそれを避けようとする。過去の僕もきっといじめられないように立ち回っていたのだろう。かっこつけて人を守っても結局、逃げてしまった。
楓はフェンスに右手を当て、ため息をついた。僕はその姿を見て、思いついたことがあった。
「楓を落とした子も怖かったんじゃないかな」
「え?」
「楓に負けるのが。点数が低いと弱者のレッテルを貼られるこの学校ならではだと思う。やっぱり人間は他人と比較して自分の強さを認識するんだ。そして自分が弱い人間だとみなされないために人を虐め、貶めるんだ」
「みんな怖がってる……」
「目の前の悪夢から目覚めるには、現実を受け止めて、相手も恐れていることを知り、その上で自分は恐れず正々堂々立ち向かう」
「私、怖がってるだけでずっと現実逃避してた。人の気持ちなんてわかろうともしなかった」
「僕もきっとそうだったんだろうな」
「じゃあ私、帰ったら、あの子たちに会ってみるよ」
「僕もどんな過去があろうが、必ず戦ってみせる」
楓の目には決意が宿っていた。
2人で屋上のドアを開こうとした。すると、凄い勢いの足音がドアの向こうから聞こえた。
「まずい。さっきの奴らだ」
「どうする?飛んで逃げる?」
「そうしよう」
僕は楓を抱きかかえた。しかし、ドアが開いたかと思うと男たちが一斉に飛び出してきた。僕はフェンスに向かって走った。後ろを振り返る。一人の男が目前まで来ていた。助走が足りないがもう飛ぶしかない。僕は翼を広げ、右足に力を込めて地面を蹴った。が、フェンスを飛び越える直前で足首を掴まれた。つま先がフェンスに引っ掛かった。そして僕は一気に態勢を崩し、落下した。
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